
近年、ターゲティングを行うときに注目されている層として「Z世代」がありますが、さらに新しい「アルファ(α)世代」も注目を集めています。Z世代は、デジタルネイティブであり、自己表現を大切にする、といった特徴がある一方、新しいアルファ世代にも固有の大きな特徴があります。この記事では、アルファ世代の概要を解説するとともに、アルファ世代に向けたマーケティング戦略について考えます。
アルファ世代とは
アルファ世代はどの世代?
アルファ世代は、2010年以降に生まれた世代であり、Y世代(ミレニアル世代)やZ世代の子どもたちに相当します。アルファ世代という名称は、オーストラリアのコンサルタント、マーク・マクリンドルが名づけたものです。今までと違う、まったく新しい世代であることを表すために、あえてアルファベットではなく、ラテン文字でZの次に当たるα(アルファ)が採用されました。
アルファ世代は、IT技術の発達とともに成長していきます。そのため、生活の利便性や医療、スポーツ、AI技術などに対する考え方が、Z世代までとはまったく異なるとされています。なお、世代の名称は15年ごとに変わるため、アルファ世代の次は、2025年ごろ〜2040年ごろの間に生まれる「ベータ世代」が続くといわれています。
アルファ世代の特徴
最も顕著な特徴は、物質的に非常に恵まれた環境で育っている点です。幼少期からタブレット端末やスマートフォンを触ることが当たり前の環境にいるため、デジタルリテラシーが高く、ソーシャルメディアやストリーミングサービスなどを使いこなすことに抵抗がありません。
また、アルファ世代はパンデミック(コロナ)の影響を大きく受けた世代でもあります。パンデミックの影響で、テクノロジーの活用が急速に進み、リモート授業やビデオ通話など物理的な場所や時間にとらわれない生活スタイルが定着しました。
さらに、世界の人口増加に伴い、アルファは2025年ごろには歴史上最大の世代になる可能性が予測されています。これは、将来的に経済的影響を大きく持つことを意味しており、マーケターにとってはこの世代にどうアプローチするかが重要な課題となります。
マーケティングでアルファ世代を狙うには
アルファ世代に向けた効果的なアプローチ
2024年現在、アルファ世代の最長年齢は14歳に達していますが、消費行動を直接的に促すのは保護者の購買意欲に依存しています。そのため、アルファ世代に関連する商品やサービスをマーケティングする際には、まずアルファ世代の保護者が多いY世代にアプローチすることが重要です。
Y世代(ミレニアル世代)の価値観や消費行動の詳細はこちらの記事でご紹介しています。
また、アルファ世代は自身のスマートフォンを持っていなくても保護者のデバイスを使用してSNSを活用しています。特にInstagramやTikTokなど、短くまとまった情報を享受できるSNSが好まれます。この世代は、時間を有効に使うことを重視する「タイパ(時間対効果)」志向が強く、情報が短時間で分かりやすく提供されることを好みます。そのため、SNSを活用したマーケティング戦略も効果的です。
アルファ世代を狙うためのコツ・ポイント
アルファ世代の保護者(Y世代)にアプローチする場合、Y世代は節約や貯蓄を重視する一方で、コミュニケーションや体験を求める傾向が強いという特徴があります。この特徴は子育てにも反映されられるため、自社の商品やサービスが子どもに「他者とのつながり」や「優れた体験」をさせられる点をアピールできると、アルファ世代の保護者の心に響きます。
例えば、子どもの教育や成長をサポートする商品やサービスであれば、機能性や価格だけでなく、「どんな新しい経験を提供するか」、「子どもにとってどんな価値があるか」などを訴求することが大切です。
また、アルファ世代はデジタルコンテンツに慣れ親しんでおり、広告やコンテンツの質、信頼性に対して敏感です。また、情報を効率的に得ることに慣れているため、膨大な情報の中から即座に理解できるようなコンテンツが求められます。そのため、この世代にアプローチするためには、わかりやすく、視覚的にインパクトがあるコンテンツが効果的です。
さらに、アルファ世代は、物理的な商品よりも「体験」を重視する傾向があります。高品質な商品やデジタル環境に恵まれた環境で育っているだけでなく、コロナの影響で「リアルな体験」が減少した世代でもあります。そのため、体験型マーケティングに対する関心が高く、サンプリングイベントや、オンライン交流などデジタルとリアルが融合した体験を提供すると効果的です。
マーケターはアルファ世代にも焦点を
よく耳にするようになった「Z世代」という言葉ですが、マーケターはその次の「アルファ世代」にも焦点を当てる必要があるでしょう。アルファ世代はこれまでの世代とは異なる特性をもつため、マーケティング戦略も新たに見直す必要があります。今回の記事を参考にしていただき、できるだけ早めに動き始めることをおすすめします。
ただし、本記事で挙げたSNSを活用したマーケティングにおいては、若年層へのターゲティングが廃止されているメディアもあるためアプローチ先は保護者に限られます。そのため、アルファ世代へダイレクトマーケティングを行う場合は各家庭へのDMやチラシ、「応援ノート」のような教育機関を通じた紙媒体からアピールすることをお勧めします。
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