若い世代の意識や行動を把握することは、マーケティング戦略を成功させるためには非常に重要です。特にデジタルネイティブ世代は、それ以前の世代とは大きく異なった傾向があると言われています。ここでは、デジタルネイティブ世代の特徴や、デジタルネイティブ世代へのアプローチ方法、アプローチする際の注意点などについて解説します。
デジタルネイティブ世代とは?
デジタルネイティブ世代とは、1990年代~2000年代に生まれた世代のことで、生まれたときからパソコン、スマートフォン、そしてインターネットなどの環境がある世代を指します。2023年現在の年齢でいうと、20代~30代前半がデジタルネイティブ世代に当たります。
デジタルネイティブ世代の多くは、インターネット上でさまざまな情報や人と接した経験を持っているので、世の中には多様な価値観が存在し、どのような価値観も尊重するべきだということを理解しています。そのため、自分自身の好みや価値観も大切にする傾向があり、他のことは倹約していても、自分にとって価値があると感じたものには惜しみなく時間と情熱、そしてお金を注ぐという人も少なくありません。
株式会社電通デジタルが2021年に実施した「デジタルネイティブ世代の消費・価値観調査 ’21」の中で、商品・サービスの消費価値観について聴取した結果、デジタルネイティブ世代は「好きな商品やサービスを通して、誰かと繋がることがある」(Z世代:45.7%、Y世代:39.5%)、「自分がどのような商品・サービスを利用しているかは、自分らしさを表現する上で重要だと思う」(Z世代:55.0%、Y世代:51.5%)と回答しています。
2020年に実施した調査結果でも、デジタルネイティブ世代の消費活動には自己表現へとつながる傾向があることがわかっていましたが、この傾向がさらに強くなったと考えられます。つまり、デジタルネイティブ世代が商品やサービスを購買する際は、単に機能だけでなく、「理想の自分に近づくための自己表現」という役割も期待しているのです。
デジタルネイティブ世代は、その生まれた年によって大きくZ世代とY世代に分かれますが、若いZ世代は特に、自己表現につながる消費行動をとりやすい傾向が強いようです。
Z世代へのマーケティング手法については「Z世代に向けたマーケティング手法のヒントと成功事例を解説」の記事をご覧ください。
Z世代へのマーケティングのポイントについては「なぜZ世代が注目されるのか? 特徴や価値観から見るマーケティングのポイント」の記事をご覧ください。
デジタルネイティブ世代の特徴
デジタルネイティブ世代の5つの特徴を挙げて解説します。
デジタルスキルが高い
デジタルネイティブ世代とその前の世代と比較すると、デジタイルネイティブ世代はとても高いデジタルスキルやプログラミング的な思考を身につけています。インターネットを用いた情報検索能力も高く、オンラインとオフラインのコミュニケーションをあまり区別せずに日常的に利用し、使いこなしています。
目的意識が強い
「自分は何のために働くのか?」「自分は何のために生きるのか?」といった強い目的意識をもっており、目的意識に向かって成長したいと考えています。そのため、目的に合致したスキルや専門性を磨くことに対しては高いモチベーションを示しますが、その反面、そうでないものに対しては興味が薄いという特徴があります。
対等な関係を重視する
インターネット上のフラットな関係に慣れ親しんでいるため、これまでの企業で主流を占めていた、上意下達の階層構造を前提とした人間関係を嫌います。デジタルネイティブ世代は、年齢や性別、国籍などにかかわらず、対等な関係性の中でお互いを認め合い、社会の中で成長していきたいと考えている傾向があります。
自分の存在意義を重視する
インターネットを通して多様な価値観や社会問題などにも触れてきているため、新しい社会構想を提言したり、社会課題や倫理問題の解決方法を考えたりすることに深い興味をもち、また社会における自分の存在意義や存在価値を重視する傾向があります。
本質を見極める
さまざまな考え方や生き方があることを知っているため、主観にとらわれず、見た目のイメージよりも本質を重視します。例えば、仕事に対しては、目先の利益よりも社会貢献や倫理的な価値を重視するため、収入がいくら多くても、それが働くモチベーションには直結しにくい傾向があります。
デジタルネイティブ世代にアプローチするには?
商品やサービスを購入するかどうかを決定する際も、デジタルネイティブ世代は特有の判断基準をもっています。ここでは、デジタルネイティブ世代の興味や関心を引く方法と、その際の注意点について解説します。
デジタルネイティブ世代の興味・関心を引く方法
デジタルネイティブ世代も他の世代と同様に「安い、便利、カッコいい」などの普遍的な判断基準をもっています。その一方で、先ほどの2021年に行われた調査によれば、デジタルネイティブ世代は商品やサービスを購入するとき、「壮大なビジョン・パーパス」「社会貢献」「若者理解」「購入者の生声」「リセールバリュー」という5つの基準で判断するという結果が出ました。
企業としては、彼らがスマートフォンやSNSとの親和性が高いことに加え、5つの基準にも配慮したマーケティング戦略を練ることで、デジタルネイティブ世代の興味・関心を惹くことができるでしょう。具体的には、たとえば次のようなアプローチ方法が考えられます。
SNSを活用したマーケティング戦略
スマートフォンやSNSが身近にある環境で育ってきたデジタルネイティブ世代は、画像や動画を中心としたコミュニケーションに慣れているため、ビジュアルを軸にSNSを活用したアプローチは欠かせません。そのため、商品のビジュアルを多数の画像を用いて紹介したり、商品の使いやすさや活用例を動画で紹介したりするマーケティング手法は欠かせません。
同じ世代のインフルエンサーを活用したマーケティング戦略
同じデジタルネイティブ世代のインフルエンサーを活用したマーケティングも有効です。他の消費者や信頼できる人の情報を重視するこの世代の心には、同じ世代のインフルエンサーから提供される情報が強く刺さります。デジタルネイティブ世代のインフルエンサーに自社商品やサービスを宣伝してもらうことで、仲間意識・同調思考の強い彼らの購買意欲を高められます。
デジタルネイティブ世代にアプローチする際の注意点
デジタルネイティブ世代に向けたマーケティングにおいて注意すべきなのは、前項で述べたデジタルネイティブ世代の5つの特徴を意識して情報発信することです。商品やサービスをアピールするだけでなく、自社のブランドについて話題にしてくれる人を増やし、また、ブランドを起点にした消費者同士のつながりやコミュニティを注意深く観察し、企業と消費者の接点を設けて仲間意識をもってもらえるようなブランドづくりが必要です。
デジタルネイティブ世代の価値観に合わせたマーケティングを
生まれたときからインターネットやパソコン・スマートフォンなどの環境がある、現在の10代~30代前半に該当するデジタルネイティブ世代は、商品やサービスの購入にあたって、特有の判断基準をもっています。企業としては、この基準を理解した上でマーケティング戦略する必要があります。
若年層に向けたマーケティング手法の1つとしては、たとえば株式会社スフレの「応援ノート」という選択肢があります。「応援ノート」は、子どもや学生を対象とした無料ノートを配布するサービスです。ノート中面には企業のコンテンツやメッセージを載せることができ、商品の販促やアンケート調査も可能です。子どもや学生向けのマーケティング方法について検討されているご担当者様は、ぜひ株式会社スフレの「応援ノート」をご検討ください。
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