テレビ番組や映画のプロモーションを担当されている方の中には「SNS投稿や動画広告だけでは限界がある」と感じている方もいるのではないでしょうか?SNS広告や動画配信は手軽で拡散効果が期待できますが、視聴率や動員数といった「本当の成果」に直結させることは簡単ではありません。
そこでいま注目されているのが「参加型イベント」というリアルな体験型プロモーションです。特に、子どもやファミリー層向けの番組や映画において、親子で一緒に楽しむリアルな体験は視聴・来場の強力な動機付けとなり、「思い出」として心に残ることで、ファン化にもつながります。
この記事では、次の3つについて解説します。視聴率・動員数アップに悩む方にこそお届けしたい内容です。
- なぜ今、リアルな「参加型イベント」が効果的なのか
- 実際に成果を出したテレビ番組や映画の成功事例
- 成果につながるイベント設計と集客導線の作り方
目次
- オンライン広告だけでは“視聴”や“動員”に届きにくい理由
- イベントプロモーションが効果的な理由
- 実例で見るイベントプロモーションの効果
- イベントプロモーションの設計テンプレート3選
- 視聴・動員につながる!イベントプロモーション5ステップ戦略
- まとめ|プロモーションは“情報”ではなく“記憶”を届ける時代へ
オンライン広告だけでは“視聴”や“動員”に届きにくい理由
まず、なぜSNS広告や動画広告だけでは効果へ直結させることが難しいのか。その背景を整理してみましょう。
情報の飽和とスキップ文化
現代のユーザーは、1日に約4,000〜10,000件の広告に接触しているとも言われています。 広告は無数に存在し、ユーザーは無意識にスキップやスクロールを繰り返しています。
特にオンライン広告においては、5秒以内に離脱される動画、流し読みされるSNS投稿など一瞬の情報として”記憶に残っていない”という事象が発生しやすくなります。また、保護者が日常的に情報収集しているSNSや育児メディア、保育施設などに露出がないと、そもそも認知される機会すら得られません。そうした接点がない場合、ユーザーに存在すら知られずに埋もれてしまうリスクがあります。
ソーシャルの一過性とKPIへの壁
SNSは拡散力に優れていますが、情報の“持続力”に課題があります。一部の投稿が話題になっても、3日後には多くの人が忘れてしまう、といった一時的な「認知」に留まる場合が多く、番組視聴や映画来場といった“行動”には結びつきにくいのが現実です。
特に行動を喚起させるには、感情を動かす継続的な接点が不可欠ですが、SNSはフロー型のため、一度の接触だけでは行動喚起までのハードルが高くなります。
認知と行動の“間”の長さ
広告を見て「面白そう」と感じても、実際に視聴・来場するまでに時間が空くと、その熱量は次第に冷めてしまいます。広告と行動の間に生まれる“心理的な距離”を縮めるには、すぐに体験し、感情を動かすリアルな接点が重要です。
イベントプロモーションが効果的な理由
テレビ番組や劇場映画のプロモーションにおいて、なぜリアルイベントが視聴や来場という「行動」に直結しやすいのか─その理由は、“体験”がマーケティングにおける課題を解決する5つの仕組みを集約しているからです。
没入感|五感で記憶に刻まれる
リアルイベントは視覚・聴覚だけでなく、五感をフル活用して作品の世界観に没入できるのが強みです。SNSや映像広告と比べて圧倒的に記憶に残りやすく、ファミリー層には「楽しい家族の思い出」として印象づけられます。これが行動意欲を自然に高めるきっかけになります。
共体験|感情のシェアがファン化を生む
家族や友達と一緒に楽しむ“共体験”は、感情を増幅しやすく、作品への愛着を深めます。体験が「思い出」となることで、単なる視聴者から“ファン”へと繋がるのです。ファミリー層にとっては「家族で観る特別な作品」へと認識が変わるのがポイントです。
UGCトリガー|自発的な拡散の火種になる
リアルイベントで映えるフォトスポットや限定アクティビティを用意すれば、来場者によるSNS発信が期待できます。広告よりも“体験者の声”は影響力が強く、UGCによる二次拡散で新規ファン層を呼び込む起点になります。
アンカリング効果|視聴・再来場の導線に
イベントで感じた感動や印象深いシーンは記憶のフックとなり、その後の視聴や再来場の動機づけになります。リアル体験は一度の体験が繰り返し行動を生む“資産”になるのがイベントの強みです。
収益多角化|プロモーションを超える経済効果
イベントは宣伝だけでなく、物販やコラボ商品、限定映像配信など収益機会の創出にもつながります。広告費がただの“消費”で終わらず、“回収”できる合理的なプロモーションです。プロモーションと収益の両立を実現するマーケティング手法と言えます。
実例で見るイベントプロモーションの効果
実際にイベント施策が成果にどう結びついたのか、3つの事例で見ていきましょう。
映画『ジュラシック・ワールド』の世界観体験イベント
映画『ジュラシック・ワールド』は、公開直前から全国で世界観体験イベントを展開しました。また、企業や団体と映画の世界に没入できるコラボ企画を多数実施し、幅広い年齢層に訴求することで、作品への関心が高まり、公開後の動員数増加に貢献しました。
毎日放送『謎解き日本一決定戦X 2022』
毎日放送『謎解き日本一決定戦X 2022』では、番組放送中にリアルタイムで参加できる謎解きキャンペーンを実施しました。参加者はQUOカードPayの賞品を狙いながら番組視聴を継続し、放送前の認知拡大と視聴率向上を実現しています。視聴者参加型の仕掛けでファンの熱量を高めました。
映画『バービー』のSNS体験施策
映画『バービー』にちなみ、誰でもバービーになれる「バービーフィルター」がSNSで広く拡散されました。特に、インフルエンサーやユーザーによる投稿が話題を呼び、自然発生的な口コミとブランド愛着の強化に成功しました。
これらの事例は、単なる広告を超え、体験から記憶、そして行動へとつなげる効果的なプロモーション手法の実証です。
▼テレビ番組における応援ノートの活用事例はこちらでご紹介しています。
イベントプロモーションの設計テンプレート3選
以下では、効果的な3つの設計テンプレートをご紹介し、それぞれの特徴や適したジャンルをまとめています。目的に合った施策を選び、効率的に視聴や来場を促すヒントとしてご活用ください。
テンプレート | 形式 | 目的 | 向いているジャンル | 特徴 |
---|---|---|---|---|
世界観没入型 | セット再現 フォトブース アトラクション |
SNS拡散 ブランド想起 |
劇場映画 ドラマシリーズ |
非日常空間を再現し、作品の“体験価値”を可視化。 「写真を撮りたい」「投稿したい」衝動を喚起。 |
参加型 | 謎解き スタンプラリー 親子ワークショップ |
感情の導線設計 滞在時間UP |
子ども向け番組 地域密着作品 |
ファミリー層で参加できる施策に最適。 子どもが主役になれる体験は記憶に残りやすい。 |
コラボ型 | 商業施設 自治体イベント連携 |
低コスト集客 新規層開拓 |
地方局番組 ミニシアター作品 |
既存の集客基盤を活用するため費用対効果◎。 作品を“知ってもらう”きっかけづくりに◎。 |
視聴・動員につながる!イベントプロモーション5ステップ戦略
イベントで視聴や来場といった具体的な行動を引き出すためには、段階的な“行動設計”が欠かせません。ここでは、成果につながる具体的施策を5つのステップを整理しています。
【STEP1】認知 ─「知ってもらう」
まずは作品やイベントの存在を広く知らせる段階です。
- キャストによるSNS投稿: 興味の入り口をつくる
- ティザー映像の公開: 世界観や期待感を醸成
- 広告出稿(SNS・動画・屋外広告など): 作品の認知拡大を狙う
【STEP2】動機形成 ─「行ってみたい理由をつくる」
認知した人に「これは行きたい!」と思わせる仕掛けが重要です。
- 限定特典(グッズ・体験): 「今行かないと損」と思わせる
- 事前予約(特典付き): 参加を“確定行動”に変える
- LINE登録・メルマガ誘導: 継続的な接点づくり、リマインド効果
【STEP3】体験 ─「五感と感情に残る場をつくる」
現地での体験が、強い記憶として残るポイント。
- フォトスポット・音響・展示: 世界観をリアルに感じてもらう
- オリジナルグッズ・参加型企画: 感情の高まりと満足度を創出
【STEP4】拡散 ─「体験を通じて話題化」
参加者が自発的に情報を拡散する仕掛けを設計。
- ハッシュタグ設計・投稿キャンペーン: UGC(ユーザー投稿)を促進
- 撮影スポットなどの設置: 投稿のきっかけを“仕込む”
【STEP5】再接点 ─「視聴・来場へ戻す」
イベント体験をきっかけに再行動を促す段階。
- ファンコミュニティ・公式LINE: 熱量を維持し、リピート促進
- 配信告知・再放送案内: 視聴・来場に戻す導線設計
ポイントは、この5ステップを“線”でつなぐこと。
デジタル施策(SNS・広告)とリアル施策(イベント体験)を組み合わせることで、一過性のイベントから脱却し、ファンとの継続的な関係性を構築できます。
「DLされる前提」を整える、新しい接点設計とは?
現代のイベントプロモーションは、視聴者や来場者との深い関係性を築くための戦略的資産です。リアルな体験を通じて作品の世界観を届けることで、視聴率や動員数の向上といった行動変容を促し、自発的なSNS拡散や口コミを生み出します。そして、ブランド好感度の向上やファン化につながることも期待できます。
もし、イベントプロモーションに関して「大規模に実施するのは難しい」という方は、ターゲットとの接点を“記憶”に変える小さな体験から始めてみるのがおすすめです。
たとえば、作品と子育て世帯をつなぐ手法として、株式会社スフレでは、「応援ノート」を提案しています。実際に手元に残り長期間保存されるため、イベント開催なしでも持続的な記憶に残るアプローチが可能です。 まずは小規模な実証実験から始めたい、という方は下記資料をご覧ください。
