この度、株式会社スフレでは「子どもたちのノート利用実態調査」を実施し、小学生~大学生とその保護者1146名から回答を得ました。本記事では調査内容と調査結果からノートがオフライン広告として有効性があるのかを解説します。
*本記事を転用される場合は参照元としてhttps://sfre.co.jp/blog/note-survey/のご記載をお願いします。
アンケート実施の背景
「いまの子どもは学習にノートを利用するのか」
弊社は園児~大学生をターゲットにしている企業様に対し、応援ノートというオフライン広告媒体を提供させて頂いております。本サービスは、企業広告やメッセージを載せたノートを学校の先生方にご協力いただき、子どもたちに無料でお届けするサービスです。
本サービスを提供する中で、特に新型コロナウィルスの蔓延以降、教育現場のIT化が加速し、「今の子どもたちは学習にノートを利用するのか」というご質問を頂く機会が増えました。紙媒体の代表格である新聞・本・雑誌など、様々なオフライン媒体はIT化に伴いその姿かたちを変えている現状があります。学習ノートも、タブレットやパソコンなどに取って代わられているのではないか、というお声もいただくことがありました。
もちろん、タブレット学習が進んでいても、実際に鉛筆を握り、ノート手書きをすることによる教育的意義*はいくつもの研究で立証されていることから、一定のニーズがあることは明白でした。とはいえ、実際子どもたちが学習において、いま、何のツールをメインに利用しているのか、その割合等は可視化できていなかったことから、調査に至りました。
*手書きによる教育的意義の研究結果例
・手書きはキーボード入力と比べて、記憶の定着に有効
出典元:2014年スタンフォード大学研究論文「ペンはキーボードより強し」(原文タイトル“The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking”)
・手書きには視覚、運動、触覚の連携が必要であり、これが脳のより広範なネットワークを活性化させ、情報の処理と記憶の強化を促進する
出典元:2020年ノルウェー科学技術大学論文「子どもはキーボードを使うよりも手書きで書くほうがよく学ぶ」(原文タイトル“Children Learn Better When Writing By Hand Than Using Keyboards, Study Says”)
子どものノート使用実態調査結果
調査概要
今回弊社独自のデータベースであるオーエン部の部員向けにアンケートを実施し、学習に利用するツールやノートの利用頻度などの調査結果を1146件得ました。
目的 :学習用ノートの利用実態を明らかにするため
対象 :小学生~大学生とその保護者
設問数 :7問
回答数 :1146件 *47都道府県より回答あり
調査方法:メール
学習に利用するツール ノートは97%の子どもが利用中
学習に利用するツール(鉛筆等の筆記用具を除く)を複数選択で回答いただいた結果が下記です。1146名中1123名(97%)がノートを利用しており、次点で学校支給のタブレットやPCの利用(72%)が目立ちました。
上記は複数回答方式のため、ノートとタブレット併用者が多いということが分かります。さらに、上記の中で「もっとも学習に利用しているツール」を調査した結果が下記のグラフです。
同割合での推移ではなく、圧倒的にノートの使用が目立ちます。子どもたちが学習において、ノートを主軸にタブレットやパソコン等他ツールを補助的に活用されていることが分かります。これらは上述の手書きによる教育的意義が影響しているのかもしれません。
ノートの利用頻度
学習において、ノートを主軸に利用していますが、その頻度に関しても調査したところ、毎日の利用者が80%となり、週3回以上の利用者は95%以上という結果となりました。主に授業や自学自習で活用することが多く、子どもたちに対するノートの接触頻度は非常に高いことが分かります。
ノート1冊の利用期間
加えて、「1冊のノートを使い終わるのにどのくらいの期間利用していますか?」の問いに対しては、半数が1〜3ヵ月未満の利用期間であり、約80%以上の子ども達が1冊のノートを少なくとも1ヶ月以上利用していることが判明しました。
なお、1冊のノートの利用期間は上述の通りですが、使用後のノートはすぐに処分せず、一定期間保管されているというデータもでています。
ノートは利用頻度が高く、使用期間が長いため、オフライン広告として有効である
ここまで子ども達の学習におけるノートの利用実態調査結果をまとめてきました。では、企業広告を掲載するオフライン媒体としての有効性はどの程度あるのでしょうか。一般的にオフライン広告媒体の有効性を測るには、下記の指標が重視されます。
- 到達率
ターゲットに対し、どの程度リーチできているかを測ります。 - フリークエンシー
1人当たりの広告表示回数です。オフライン広告においては図ることが難しい指標の1つです。 - GRP
オフライン広告に分類されるテレビ広告において注視される指標です。 - トラフィックリフト
広告掲載後、ウェブサイトや店舗への訪問者数が増加したかを図る指標です。 - クーポン利用率
紙媒体でのクーポンやデジタルクーポンの利用率を測る指標です。
その他、オフライン広告と合わせてアンケートを実施することによるブランド認知度や広告認知度、競合と比較して広告の露出度を評価するシェア・オブ・ボイスなども指標とされる場合があります。上記を満たすオフライン広告媒体は、非常に広告としての有効性が高いですが、学習に利用されるノートでも上記測定が可能か、弊社サービスの応援ノートを例に記載します。
▼応援ノートの場合
- 到達率
設定したターゲットへ学校の配布物として子どもたちの手に渡るため、リーチ率は100%に近い。 - フリークエンシー
広告の接触回数においては、上述のとおり1か月以上の期間中、週3日以上接する機会がある可能性が高い。 - GRP
測定できない - トラフィックリフト
測定可能。主な手段は、ウェブサイトや店舗への訪問者数を施策前後で比較したり、キャンペーン用のページへ遷移するQRコードを設置することで測定される。 - クーポン利用率
クーポン情報を記載することで測定可能
以上の通り、ノートも充分にオフライン広告として有効性があることを示す指標を測ることが可能です。また、学習に利用するノートはその特性上接触頻度が高く、利用期間も長いためオフライン広告として有効な手段であると考えられます。応援ノートのように、狙いたいターゲットに確実にリーチができる媒体であれば、その価値はより高まることでしょう。
さいごに
マーケティングブログでは、日々のマーケティング活動に役立つ情報を掲載しておりますので、ご興味のある方はぜひお目通しください。
*後半でご紹介した応援ノートに関する資料は下記よりダウンロードいただけます。