塾の宣伝方法の一つに、チラシの配布があります。チラシは塾業界で効果を発揮してきた歴史のある広告手段です。では、塾のチラシを作成する際、反応率を上げるためにはどのようなポイントに注意すべきでしょうか。本記事では、効果的なチラシ作成のポイントや配布方法、効果的な配布時期などを紹介します。
まずはチラシを作る目的を明確にする
塾のチラシを作成する場合、何を目的に作るかによって、デザインや内容、配布方法などが大きく変わってきます。そのため、最初に目的を明確にすることが非常に重要です。目的は様々なものがありますが、主に以下のようなものがあります。
入塾希望者の獲得
塾にとって、新しい生徒の獲得は非常に重要な目的の一つです。新しい生徒を獲得することで、生徒数が増え、収益が増加することが期待できます。
この目的に沿ったチラシを作成するためには、まず、その塾の魅力を伝えることが重要です。例えば、塾の特長や優れた講師陣、過去の実績や合格実績、授業料などを明確に伝えることで、受講生や保護者に塾の魅力をアピールすることができます。また、無料体験授業の実施や相談会の開催など、入塾に向けたステップアップの機会を提供することも有効です。入塾希望者の獲得を目的としたチラシは、可能な限り簡潔でわかりやすく、目を引くデザインを取り入れることが大切です。
既存生徒の継続率の向上
新規の入塾者を獲得することも大切ですが、既に塾に通っている生徒たちの継続率を高めることも重要です。
そのためには、生徒たちが塾に通い続ける意欲を高めるようなコンテンツや情報を提供する必要があります。例えば、定期的な成績報告や、生徒たちが興味を持ちやすい授業や講座の提供、進路に関するアドバイスなどが挙げられます。また、既存の生徒たちに特典や割引などのサービスを提供することで、継続的な受講を促すことも可能です。そのためにも、生徒たちのニーズに合わせたチラシ作りが求められます。
塾の知名度を上げる
塾の知名度をあげるために作成する場合もあります。その場合、塾の特徴や強みをアピールし、他の塾との差別化を図ることが重要です。例えば、教師の資格や経験、生徒の合格実績、少人数制の授業、カリキュラムや授業料の詳細などを分かりやすく説明し、塾の強みをアピールします。さらに、地域のイベントや学校でのPR活動なども行うことで、塾の存在を広く知ってもらうことができます。
期間限定のキャンペーンの告知
夏期講習など、限られた期間中に入塾を促すために、早割キャンペーンなど、期間限定キャンペーンの実施は非常に効果的です。チラシには、割引特典や入塾特典などのキャンペーン内容を明確に示し、その内容が期間限定であることを強調すると良いでしょう。また、受付期間や応募方法などの詳細を明確に記載することも大切です。ただし、あまりに頻繁にキャンペーンを実施すると、価値感が低下し、信頼性が損なわれる可能性があるため、適度な間隔での実施が望ましいでしょう。
チラシ作成の落とし穴
保護者や生徒自身のニーズに合わないキャッチコピーを書いてしまう
「生徒募集」と記載されたチラシをよく見かけますが、保護者や生徒自身が求めるニーズに合わないことで、興味を持ってもらえない場合があります。初めて知った塾にすぐ入りたいと思ってもらうことは難しく、保護者や生徒がまず知りたいのは、塾の雰囲気やカリキュラム、どのような講師がいるかなど、塾に関するあらゆる情報のはずです。
そのため、まずは自分たちが提供するサービスの特徴や強みを明確にして、その価値を伝えることが大切です。
大手塾のチラシを真似てしまう
チラシを初めて作成する場合など、大手塾のチラシを真似するケースは少なくないでしょう。大手塾のチラシを真似することは決して悪いことではありませんが、自身の塾が個人塾や中小規模の塾の場合、塾の良さが伝わりにくくなってしまう可能性があります。
大手塾と個人塾、中小規模の塾とでは、ターゲットやアピールポイントが異なるためです。
そのため、自分たちが提供するサービスの特徴や強みを明確にし、それをアピールすることが大切です。また、大手塾と比べて小規模であることをアピールすることも、一つの戦略となるかもしれません。
合格実績が分かりにくい
合格実績を掲載することは、入塾希望者に対して説得力を持たせる上で重要な手段の一つです。しかし、その際に分母を明記せずに掲載してしまうと、誤解を招くことがあります。例えば、「本校の生徒のうち、○○名が○○大学に合格!」という表現だと、合格率が明確ではなく、チラシを読んだ側もその数字が果たして良いのか悪いのか、判断がしにくくなります。そのため、合格実績を明記する場合は、分母を記載し、合格率をアピールすることが大切です。
反響率を上げるチラシ作成のポイント
ターゲットを明確にする
チラシを作成する上でターゲットを明確にすることは非常に重要なポイントです。
自分のことだと思える文章や商品を見ると、つい立ち止まったり、読みたくなったりします。不特定多数の人に向けたチラシを作成してしまうと、本当に届いてほしいターゲットに広告が響かず、集客につながりにくくなる可能性があります。そのため、ターゲットとする年齢や地域などを明確にすることが大切です。
例えば、小学生の保護者をターゲットにした場合「小学校教育の授業内容に沿ったカリキュラムで、学校の授業をサポートします」などの文言をいれると良いでしょう。
料金体系はシンプルにする
塾のチラシに、料金体系をシンプルにわかりやすく載せることは大切です。保護者にとって、子どもを塾に入塾させる際、料金は大きな決め手になるからです。
一般的に塾の月謝は高いイメージがあるため、そもそも料金を調べすに、入塾を考えていないご家庭もあるでしょう。入塾のハードルを下げるために、料金体系をシンプルにわかりやすく示すことが大切になります。
デザインはシンプルで視認性を高める
チラシのデザインは、反響率に大きな影響を与えます。人々は視覚的に刺激を受けやすいといわれており、シンプルで視認性の高いデザインは、効果的な広告となります。
そのため、過剰な情報や飾り付けは、伝えたい情報を隠してしまうため避けたほうが良いでしょう。また、フォントや色使いもシンプルで統一感のあるものを選び、読みやすいデザインにすることが大切です。
特典をつける
入塾などの行動に対し特典をつけるといった仕掛けも効果的です。
例えば、「チラシご提示で入学金無料」「お友達と入塾すると〇%割引」などのキャンペーンが挙げられます。
このような特典をつけることで、チラシを読んだ人が具体的なアクションを起こしやすくなるだけでなく、満足感を与えることができます。
特典をつける場合は、読んだ人が魅力的だと思うような特典をつけましょう。
人の視線の動きを意識する
人の視線の動きを意識することは、効果的なチラシを作成するうえで重要です。人は物を見る際、横向きだとZ型、縦書きだとN型のように、自然と決まった導線で目を動かす癖があります。
例えば、キャッチコピーをZ、Nの先頭に配置し、そこから伝えたいポイントを読んで欲しい順番で、導線上に並べると良いでしょう。
人の視線の動きを意識したチラシの配置やデザインは、最後まで読んでもらいやすくなり、反響率を上げるために必要な要素の一つです。
口コミや評判を載せる
保護者へ塾生の口コミや評判も、チラシ作成の効果を上げます。インターネットが普及した現代では、入塾する前にSNSやウェブサイトなどで情報収集をすることが当たり前です。中でも口コミや評判は、信頼性のあるものと認識し、安心して入塾できると思ってもいやすくなり、入塾の大きな後押しになりえます。
そのため、塾生にインタビューやアンケートなどを行って、塾生の生の声をチラシに掲載し、入塾希望者の安心感や信頼感を高めることが効果的です。
チラシを配る効果的な時期
塾のチラシは、配布する時期も重要です。ここではチラシを配る効果的な時期をご紹介します。適切な配布時期を理解して集客効果を高めましょう。
入学試験前
塾は、受験勉強のために通うという人も少なくありません。そこで、入学試験前にチラシを配布することで、受験生や保護者の注目を集めることができます。また、入学試験に合格するためには、早めに対策をすることが大切です。そのため、チラシに「早めの準備が合格の秘訣」というキャッチコピーを入れると効果的です。
長期休暇前
塾は、長期休暇前に通い始める人が多いという傾向があります。特に夏休み前や冬休み前には、定期試験や受験が控えているため、学習効果を高めるために塾に通う生徒が多くなります。また、夏休み中には、定期試験に向けての復習や、来年度の学習の準備をするために、入塾を考える生徒も多くなります。
新年度開始前
新年度が始まる4月には、進級などで新たな環境になる生徒たちも多く、新しい学習内容に対応できるようになるために、多くの生徒が3月から塾に通い始めます。
また、新年度に向けての受験対策をするためにも、1月や2月から通い始める生徒も少なくありません。新年度が始まる前に塾に通うことで、学校の授業に追いつくための基礎力をつけることができ、新しい学習内容にスムーズに対応することができます。
こうしたことから、新しい環境に適応するためのサポートを行っていることをアピールできます。
チラシの配布方法
塾のチラシを配布する方法はさまざまです。ここでは主な配布方法をご紹介します。塾の特徴や地域に合わせて検討しましょう。
ポスティング
ポスティングは、マンションや戸建てなど一軒ごとにチラシをポストに投函する配布方法です。比較的リーズナブルで、広く多くの人々にアプローチできるため、配布手段としてよく利用されています。ただし、実際に届けられたかどうかは不明であるため、効果を見極めるのが難しい場合があります。また、法律に違反するポスティングが問題視されており、不法投棄やトラブル防止に注意が必要です。
新聞折込チラシ
新聞折込チラシは、新聞の折り込みにチラシを挟んで配布する方法です。新聞はターゲットとする地域の人々にアプローチしやすく、高い反響率が期待できます。ただし、新聞ごとに読者の年齢層や購読率、配布エリアなどが異なりますので事前に確認が必要です。また、新聞折込チラシは量が多いため、その中から目立つようなデザインを考える必要があります。
校門前での手配り
校門前での手配りは、塾の通塾範囲となる学校の校門前で学校の生徒や保護者に配布する方法です。手渡しのため、ターゲットに直接アプローチすることができます。
ただし、公道や学校の敷地内で配布する場合は、事前に許可を取得する必要があります。公道で配布する場合は、チラシ配布をする場合はその地域の管轄の警察署へ道路使用許可の届け出をしましょう。学校の敷地内で配布する場合は、施設管理者に許可を取りましょう。
マナーやルールを守り、迷惑行為にならないように注意する必要があります。
ターゲットのニーズにあったチラシを作成しよう
今回は、反応率を上げる塾のチラシの作り方について紹介しました。
子どもや保護者が「この塾に通いたい、通わせたい」と思えるようなチラシ作りが大切です。また、受講料の負担を軽減するような制度を設けることも効果的でしょう。
塾の特徴や、ターゲット、塾のあるエリアの地域性などを踏まえて、反応率をあげるチラシづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。
株式会社スフレの「応援ノート」は、企業のメッセージやQRコードなどを掲載できるため、塾への集客に役立てられます。また、学校で先生から直接生徒に配布するため、確実にターゲットへ広告を届けられることも特徴です。応援ノートの詳細は資料をご覧ください。