近年「〜世代」という言葉をよく耳にします。X世代、Y世代、Z世代と、生まれた年代によって分類されており、マーケティング界でも注目を浴びています。育った環境などから、世代独自の特徴や価値観を持っているため、それぞれの世代に合わせたマーケティング戦略が必要です。本記事では、それぞれの世代の特徴や違い、マーケティング戦略について解説します。
X世代とは?
X世代とは、1965年~1981年ころに生まれた世代のことで、2023年現在で42歳〜57歳くらいの人のことを指します。X世代は、Z世代の子どもを持つ世代とも言われています。
X世代の特徴として、高度経済成長期やバブル期に生まれ、経済的な変革期を経験しました。そのため、物質的な豊かさに価値を置く傾向があります。
また、自己主張や個人的な成功を重視する傾向がある一方で、家族や地域社会との結びつきをやワークライフバランスを大切にするという点も挙げられます。
こうした特徴を踏まえ、X世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
・家族へのアプローチ
X世代は、家庭を持ち、子育てをしている方が多いため、家族を対象にしたマーケティングが有効です。例えば、親子で楽しめるイベントや商品、家族向けのサービスを提供することで、家族同時のコミュニケーションが発生し、商品やサービスの利用につなげることができます。
・デジタルを活用
X世代は、デジタルネイティブではないものの、デジタルに慣れ親しんでおり、スマートフォンやタブレットも利活用しています。仕事や子育てに忙しい中年層ということもあり、オンラインでのショッピングや情報収集が多い傾向があります。したがって、オンラインサービスやネットショッピングなど、デジタル化に対応することが求められます。
・長期的な価値の提供
X世代は、価値を長期的な視点で評価する傾向があります。つまり、一時的なトレンドに惑わされることなく、持続的な価値を提供する製品やサービスに興味を持ちます。そのため品質の向上や信頼性など、長期的な視点で価値を提供をすると有効です。
Y世代とは?
Y世代とは、1980年〜1995年ごろに生まれた世代のことで、ミレニアル世代とも呼ばれます。2023年現在で25歳〜40歳くらいの人のことを指します。ミレニアル世代は、幼少時代からインターネット環境が整っていたため、デジタルネイティブといわれることもあります。
Y世代の特徴として、親世代と同様に、新聞や雑誌などの紙媒体から情報を収集する場合も多く、複数の媒体からバランスよく上手に情報を収集することに長けています。
また、旅行をはじめとする「体験」にお金を使いやすい傾向があり、一言でいえば、「モノよりもコト」を重視するのもミレニアル世代の特徴であるといえます。
こうした特徴を踏まえ、Y世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
・SNSの活用
Y世代はソーシャルメディアを積極的に利用する傾向があるため、SNS上で広告を配信することが有効です。また、広告を配信するだけでなく、フォロワーからのリアクションを促すようなキャンペーンや、ユーザーが自分自身をブランドと結びつけることができるようなコンテンツを作成することも重要です。
・社会貢献や真実性のアピール
Y世代は社会的な意識が高く、社会貢献のアピールに強い関心を持っています。そのため、環境問題や社会的責任を果たす取り組みを積極的にアピールすると良いでしょう。
また、Y世代は情報にアクセスする手段が豊富で、、虚偽の情報や誇大広告に敏感に反応します。そのため、広告を出す際は、真実性を重視し、商品やサービスに関する正確な情報を提供することが求められます。
・コストパフォーマンスの訴求
Y世代は、価格を比較し、コストパフォーマンスを重視する傾向があります。キャンペーンやセールなど、価格に関する情報を積極的に発信することも効果的です。
Y世代について、さらに詳細を知りたい人は以下の記事をご覧ください。
Z世代とは?
Z世代とは、1995年〜2012年ころに生まれた世代のことで、2023年現在で12歳〜27歳くらいの人のことを指します。Z世代は、最初のデジタルネイティブ世代といわれており、生まれた時からインターネットやスマートフォンが普及していたため、商品やサービスは情報取集してから購入するのが当たり前です。
Z世代の特徴として、多様性やダイバーシティに対する意識が高く、社会的な意義を重視する傾向があります。また、自分の価値観を大切にするのも特徴の一つです。
こうした特徴を踏まえ、Z世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
・情報の透明性を高める
Z世代は、買い物やそれ以外の物事においても、SNSなどで情報収集する習慣があります。そのため、一方的に情報を押しつけるのではなく、口コミや、商品のメリットとデメリット両方伝えるなど、提供する情報の透明性を高めましょう。
・共有したくなるような体験を提供する
Z世代は、毎日のようにSNSやインターネットでのコミュニケーションを取っています。自分の体験をSNSでシェアするなど情報発信にも積極的なため、思わず共有したくなるような体験を提供することもポイントです。
・複数の方面からアプローチする
デジタルネイティブであるZ世代には、インターネットやSNSなどオンライン上でのアプローチは必須です。しかし、オンライン上の数ある広告のひとつとして埋もれてしまう可能性もあります。そのため、オンラインだけでなく、イベントや展示会などオフラインでもアプローチしましょう。
Z世代について、さらに詳細を知りたい人は以下の記事をご覧ください。
X、Y世代とZ世代の違い
3つの世代の中でもっとも若く、今後ますます経済活動が活発になっていくZ世代と、Y世代、X世代にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
テクノロジーへの接し方
Z世代は生まれたときからデジタルテクノロジーが身近にあり、インターネットのある環境が当たり前の世代です。生活のほとんどがデジタル上で行われており、最初のデジタルネイティブともいわれています。それに対し、X、Y世代は、インターネットやスマートフォンの登場が、成長後、もしくは成長過程だったため、デジタルテクノロジーに慣れ親しんでいるものの、Z世代ほど依存していません。
コミュニケーションの取り方
3つの世代はコミュニケーションの取り方にも違いがあります。デジタルネイティブであるZ世代は、SNSやチャットアプリなどを使ったオンライン上でのコミュニケーションに慣れています。それに対し、X世代は、デジタル技術が普及する前に成長したため、口頭や紙媒体を使ったコミュニケーションに慣れています。
Y世代は、Z世代と同じくオンライン上でのコミュニケーションに慣れていますが、リアルなコミュニケーションも重視しています。
価値観
育った環境が異なるため、価値観にも違いがあります。SNSを中心に世界中の多様な価値観に触れているZ世代は、多様性や個性、自分らしさを重視する傾向があります。それに対し、X、Y世代は、高度経済成長期やバブルにかけての時代を経験しており、物質的な豊かさや成功を重視する傾向があります。
X、Y世代とZ世代の違いはデジタルテクノロジーの経験時期がカギ
X世代とY世代は、成長過程でデジタルテクノロジーが出現した時期に違いがあります。一方、Z世代は、デジタルテクノロジーが当たり前の環境で成長しているため、これまでにない程の高いテクノロジーに対する理解力を持ち、デジタルネイティブと呼ばれるほどです。このような背景から、Z世代はインターネットやSNSを通じて、多様な情報を瞬時に収集することができ、柔軟な思考力や創造力を身につけています。こうした世代間の特徴を理解した上で、マーケティング施策を展開することが求められます。
株式会社スフレでは、「応援ノート」を中心に、Z世代を含む、キッズ・学生に特化したセグメントマーケティングを展開しています。Z世代へのマーケティングに関心がある方は、お気軽にご相談ください。