株式会社スフレ

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株式会社C-GRAT 改め 株式会社スフレ

出願につながるオープンキャンパスとは?大学広報が取り組むべき“体験設計”と“成果導線”のつくり方

「オープンキャンパス(OC)の来場者数は維持できているのに、出願数は横ばい、もしくは減少傾向にある」——このような課題を抱えている大学広報担当者の方は少なくありません。その背景には、「印象に残る体験づくり」は重視されていても、「出願行動」や「志望理由書の作成」までを見据えた設計がされていない可能性があります。

本記事では、大学広報の視点から「成果につながるOC設計」を体系的に解説します。

目次

出願までのプロセスを解剖|意思決定ファネルを理解する

出願というゴールに到達するまでには、まず情報を「知る」、次に「共感」、その後に他の選択肢と「比較」し最終的に「納得」して行動に移る――こうした段階的なプロセスが存在します。大学広報に求められるのは、このような意思決定ファネルに合わせた「情報の設計」と「感情の設計」です。

ファネル構造

進学情報ファネル
ファネル 高校生に必要な情報 保護者に必要な情報 進路指導教員に必要な情報
認知・関心

・SNS・Youtube等の露出

・サークルや進路イベントでの認知

感情:興味・期待

・進学情報誌・新聞・ポータル

・子どもの会話からの間接情報

感情:安心・信頼

・大学案内・進路セミナー資料

・OB生の進学先などの実績情報

感情:信頼・有用性

関心

・学部内容の魅力や特色

・在学生のリアルな声

感情:共感・好奇心

・教育方針・卒業後の進路

・生活環境・安全性

感情:納得・安心

・カリキュラム・進学後の学習環境

感情:推薦したくなる安心感

比較検討

・他大学との違い(学び方・雰囲気)

・キャンパス体験の“楽しさ”

感情:ここに通いたい!

・費用面の比較(奨学金制度など)

・サポート体制(留学・就職)

感情:経済的納得感・信頼

・入試制度の明確さ

・学力レベルの適合性

感情:紹介のしやすさ

確信

・「自分らしく学べそう」という感覚

・在学生との直接交流(先輩の姿)

感情:ここで頑張れる、安心感

・「子どもが安心して通える」と思える情報

・実際の学生生活の再現性

感情:我が子の将来への納得感

・面談に使える具体的情報(オープンキャンパス体験談など)

感情:推薦の確信

行動(出願)

・アンケート・志望理由書記入誘導

・出願サイトの案内とフォロー

感情:背中を押してくれる最後の一言

・「出願してよかった」と感じる余韻設計(例:フォローDMや手紙)

感情:安心・満足

・「出願しました」という生徒の声が届くことで自信につながる

感情:達成感

出願意志の形成には、高校生本人に加えて、保護者や進路指導教員といったキーマンが影響を与えます。特に、保護者は「就職後の将来性」や「経済的負担の妥当性」「安心感」など、子どもとは異なる観点で判断します。そのため、来場者を一括りにせず、それぞれの立場やファネル段階に応じた情報設計と感情訴求が、出願行動を促す重要な鍵となります。

その他、進学に関する中高生・保護者の考え方は下記の記事で詳しくご紹介しています。

「印象に残る」から「比較検討」に変わる導線設計へ

学生に受験してもらうには、来場時に印象を残すだけでなく、「比較検討フェーズ」で思い出され、選ばれる情報設計が不可欠です。

比較検討に強いオープンキャンパスの特徴
・学部の学び・キャンパスの雰囲気・在学生の姿などが、具体的なエピソードとともに語られている
・持ち帰れる資料に強みが言語化されており、家で他大学と比べやすい
・保護者向けには奨学金制度や就職支援情報が丁寧に提示されている
・LINE登録で「オープンキャンパスおさらい」「志望理由書作成のヒント」などが届き、家に帰った後も記憶をフォロー

また、来場者の感情が動いた瞬間を逃さず、ブース誘導や声かけ、終了時のひとことなどで「比較→確信」への移行をスムーズに後押しすることも重要です。

出願を後押しする“行動導線”の仕掛け

「出願につながる」には、当日の満足感だけでなく、行動を起こしてもらう設計が求められます。

タイミング別 行動喚起施策

タイミング 施策例 意図
来校前 ・入試情報のワークシート配布 意識づけの早期化
オープンキャンパス終盤 ・簡易アンケート
・スタッフによる口頭確認(「今日どうだった?」)
・LINE登録
・志望角度確認
・進路相談予約へ誘導
帰宅後 ・LINEから情報発信
・紙媒体による情報発信
・資料請求誘導
・検討タイミングでの後押し

LINEやデジタルツールの導入が難しい場合でも、紙アンケートや対面ヒアリングなど、今あるリソースでも十分に行動喚起は可能です。

改善のサイクルを回す|成果に直結するオープンキャンパス運営のために

受験者数を増やすというという成果を出すには、開催されたオープンキャンパス内容を見直し、改善を繰り返す仕組みが不可欠です。

活用できる分析視点
1.感情曲線マッピング:参加者の感情の波を可視化
2.行動データ分析:アンケート回答率、資料請求率、LINE登録率などのKPIを確認
  ※ツールがなくても、スタッフや学生との振り返りを行うだけでも大きな改善に繋がります。
3.想起テスト:複数大学のOCに参加した学生に「印象に残った点」をヒアリング

事例|「出願につながった」2つの大学の取り組み

山梨英和大学|演劇スタイルで事前面談を再現

総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)といった入試の仕組みに不安を持つ受験生や保護者に向け、オープンキャンパスで面談の様子を演劇形式で再現しました。教員がその場で解説を加えることで、選抜の流れを具体的にイメージできる工夫を行った結果、「よくわかった」「不安がなくなった」と好評で、出願意欲の向上にもつながりました。

デジタルハリウッド大学|在学生主導の「キャンパスPRプロジェクト」

教員主体に加え在学生も運営に関わる体制を取っていたものの、毎回参加する学生が異なり、ノウハウの蓄積や一貫した運営が難しいうえ、教員の負担が大きいという課題がありました。そこで運営体制を見直し、在学生が主体となってオープンキャンパスを企画・実施する仕組みを導入。活動はインターンシップとして単位認定されることで、学生のモチベーションも向上しました。
参加した受験生からは「自分もこのプロジェクトに関わりたい」という声が多く寄せられ、大学生活の魅力が自然と伝わる機会となっています。

自大学でも再現できる!まずはやるべき3つのアクション

オープンキャンパスという限られた時間の中で参加者の心を動かし、出願という行動へとつなげるには、戦略的な仕掛けが欠かせません。ここでは、自大学でもすぐに実践できる、効果的な3つのアクションをご紹介します。

①ペルソナ別・感情ファネルを描いてみる
高校生と保護者、それぞれがオープンキャンパスでどのような感情の流れをたどるのか、その時点で必要とする情報は何か。それらを時系列で可視化してみましょう。現在のプログラムと照らし合わせることで、感情が盛り下がってしまうタイミングや、情報が不足している場面を洗い出し、改善ポイントが明確になります。

②運営体制の整備
誰が対応しても一貫した体験が提供できるように、来場者対応のスクリプト、よくある質問への回答集、会場内の案内導線などを事前に共有しておきましょう。属人的な運営から脱却し、安定したクオリティの対応が可能になることで、来場者に安心感と信頼感を与えることができます。

③出願に直結する行動導線を再設計
LINE公式アカウントの登録や資料請求、アンケートの記入など、来場者の次のアクションを具体的に設計しましょう。特に効果的なのは、参加者の感情が高まった直後(感動・共感・納得など)のタイミングで行動を促すことです。タイミングを見逃さずに次のステップを提示することで、出願行動につながる確率が大きく高まります。

まとめ|“出願につながる体験”こそ、広報の本質

来場者に「この大学にしよう」と感じてもらうには、情報 × 感情 × 記憶 × 想起のすべてが設計された体験が必要です。出願、志望理由書、保護者の理解といったアクションにつなげるには、比較検討のフェーズで選ばれる体験をいかに提供できるかが鍵となります。まずは現状の設計を見直し、小さな一歩から取り組んでみてください。

学外でも「想起される接点」をつくる──応援ノートというタッチポイント

オープンキャンパスでの体験も、出願時期まで時間が空くと記憶が薄れてしまうことがあります。そこで、体験の余韻を“記憶から想起へ”とつなげるタッチポイントとして、株式会社スフレの「応援ノート」が効果的です。

大学のロゴや教育方針、キャンパスライフの魅力が掲載できるオリジナル学習ノートは、家庭や学校で繰り返し使われることで、日常の中で大学を想起させる仕組みになります。導入大学の事例は、「大学成功事例集」としてご紹介しています。
“記憶に残る”を“行動につなげる”広報施策のヒントとして、ぜひご活用ください。

まずは資料をダウンロード

「応援ノート」子どもに関するマーケティングについてのサービス内容がわかる資料をご用意しました。

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