
「この教室は当たりだけど、あっちはハズレだった」——学習塾を運営していると、こんな口コミに直面することはありませんか?特に全国に教室を展開している学習塾の場合、現場ごとに判断される施策や運営手法にばらつきがあることで、教室によって集客数や定着率に大きな差が生まれてしまいます。
そこで注目したいのが、「教室間の連携」と「ナレッジ共有」です。外部コンサルや新たな広告費を投入する前に、まず自社内での成功事例を活かすことが集客改善への近道になります。
本記事では、教室間で“勝ちパターン”を共有することで、属人集客から脱却して全体最適につなげるための仕組みづくりについて解説します。
目次
- よくある「集客のバラつき」の原因とは?
- 教室間で“マーケティングの勝ちパターン”を共有する5つの効果
- 事例紹介|教室間連携で集客を仕組み化している学習塾
- 取り組みやすい『施策共有の仕組み』3選
- まとめ|属人集客から、再現可能な“仕組み”へ
よくある「集客のバラつき」の原因とは?
なぜ教室によって集客成果に差が生まれてしまうのか。その背景には、以下のような“組織的な課題”が潜んでいます。
現場判断による運用差
同じチラシでも、キャッチコピーや写真、配布場所や時間帯によって反応率は大きく変わります。SNS施策も投稿時間や文字のトーン、ハッシュタグの使い方など細かな違いが成果に影響します。施策そのものよりも「どう運用したか」という現場の判断や工夫が、集客の成果を左右する1つの要因になっています。
成功事例の「見える化」不足
集客に成功した教室の工夫や取り組みが、社内で十分に共有されていないケースは少なくありません。経験則に基づいたやり方が特定の教室だけに留まってしまい他の教室で活かされていないなど、集客の成功体験が一部の教室だけにとどまっていることが、学習塾全体の集客課題の長期化につながっていることも考えられます。
教室間で“マーケティングの勝ちパターン”を共有する5つの効果
上記のような課題に対する有効な解決策が、「教室間での成功事例の共有」です。現場ごとの工夫や成果を“再現可能な型”として整理・展開することで、塾全体の成果に波及します。ここでは、マーケティング施策を共有することで得られる5つの効果をご紹介します。
- 成果が見えるようになる(可視化)
例えば、問い合わせが急増したチラシの文言や、反応の良かったSNS投稿のパターンなどが明確になります。これにより、属人的だったノウハウが見える形で残ります。 - 他の教室でも実践しやすくなる(最適化)
成果が出た施策を別教室で再現できれば、媒体や地域ごとの相性も検証可能です。より“うまくいく方法”が見つかりやすくなります。 - スピード感のある実行ができる
実績のあるパターンを活用すれば、企画から実施までの手間を削減できます。準備に時間をかけず、すぐに行動へ移せます。 - 教室全体の底上げにつながる
一部教室の成功が全体で共有されることで、個々のばらつきが減少します。その結果、塾全体としての成果やブランド力も向上します。 - 新人教室長の立ち上がりが早くなる
成功施策が整理されていれば経験を問わず取り組めるため、人材育成のスピードアップにもつながります。
事例紹介|教室間連携で集客を仕組み化している学習塾
ここでは、実際に「教室間の連携・支援体制」に注力している学習塾の取り組みを紹介します。
明光義塾(株式会社明光ネットワークジャパン)
明光ネットワークジャパンでは、複数の施策を展開していますが、特に注目すべきは、「カンパニー制」による直営教室とFC教室の一体運営です。地域特性に応じた柔軟な戦略を取りつつも、教室ごとのノウハウや運営スタイルを横展開しやすい体制を整えています。
また、授業運営システムやデジタル塾生証・講師証の導入により、集客から入会後のフォローまでをデジタルで管理しています。これにより、教室ごとの運営や集客活動の属人性を減らし、仕組みによる再現性のある集客が実現されています。こうした体制は、全国展開する大規模塾でこそ必要とされる「ばらつきのない指導品質」と「安定した集客成果」を支えるモデルといえるでしょう。
取り組みやすい『施策共有の仕組み』3選
ここまで、教室ごとの集客格差の原因や、成功事例を共有することの効果について紹介してきましたが、「どう仕組み化すればいいのか分からない」「「現場の負担が増えるのは避けたい」と感じる方も多いはずです。ここからは、負担が少なく取り組みやすい“施策共有の仕組み”を3つご紹介します。
「成果事例レポート」を月次発行
各教室で成功した集客施策の内容を、背景・成果数値・ターゲット・使用媒体まで含めて明文化。全教室に配信することで、施策の“なぜ効果があったのかあったのか”が理解でき、他教室でも再現しやすくなります。
施策を“検証・改善”する報告フォーマットを導入
施策の結果だけでなく、背景や改善案まで含めた簡易フォーマットを導入。現場が気軽に共有できる仕組みにすることで、成功例だけでなく「次に活かせるナレッジ」が蓄積されます。
販促カレンダーと連動した「アイデアテンプレート」配信
春の体験会、夏期講習などの行事に合わせた具体的なアイデア集(訴求軸・使用媒体・文言例など)を事前に全教室へ共有。現場の企画工数を減らし、実施スピードを高めます。
学習塾の集客に役立つ情報をこちらの記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
まとめ|属人集客から、再現可能な“仕組み”へ
教室ごとに集客成果に違いが出る背景には、“情報の流れ”の問題がある場合もあります。
すでに存在する成功事例を再現可能な「型」として整理・共有することで、他教室でも取り入れやすくなり、全体の成果向上につながります。
まずは、小さな成功施策を1つピックアップし、「誰でも実行できる形」で共有するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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