なぜいま「ショート動画」なのか?
「SNSで投稿を続けているものの、思うように販促効果が見えない」といった悩みを抱えていませんか? 特に子ども向け玩具は、単なる投稿や広告だけでは、親子の購買行動を動かすのが難しくなっています。
実はいま、子ども向け商品の売上に影響を与えているのが、「親子で一緒に視聴するショート動画」です。スマホ時代において、15〜60秒ほどの短い動画(ショート動画)が、子どもたちの「これ欲しい!」を自然に引き出し、結果として親の購買アクションにつながる仕組みが生まれています。
本記事では、ショート動画の基本と成果につなげる考え方を解説します。

ショート動画とは?いまさら聞けない基礎知識
「ショート動画」という言葉をよく耳にするものの、具体的にどんなものかをきちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。ここでは、その基本をしっかり押さえていきましょう。
ショート動画の定義と主なプラットフォーム
ショート動画とは、15秒〜60秒程度の短い動画コンテンツを指します。
代表的なプラットフォームとして以下のようなものがあります。
- TikTok
- YouTube Shorts
- Instagram Reels
なぜいま注目されているのか?
では、なぜショート動画が注目されているのでしょうか? 理由は複数ありますが、特に大きな要因を3つに分けてご紹介します。
1.視聴習慣の変化
ショート動画が注目を集めている最大の理由は、視聴習慣の変化にあります。特に若年層とその親世代では、短時間でサクサクと楽しめるコンテンツが日常生活に深く浸透しており、2023年には、世界中の4〜18歳の子どもたちがTikTokに費やす時間が1日平均112分に達し、前年よりも5分増加したというデータが報告されました。
(ANNUAL DATA REPORT 2023)
また、親世代もショート動画を日常的に視聴する習慣が根付いてきており、動画コンテンツが親子のコミュニケーションの一部となりつつあります。
2.SNSアルゴリズムによる「偶然の発見」に強い
ショート動画はSNSアルゴリズムとの相性が非常に良いのも特徴です。TikTokやInstagram Reels、YouTube Shortsなどのプラットフォームは、フォローしていないアカウントの動画でも、ユーザーの興味関心や視聴履歴をもとに積極的にレコメンド表示します。これにより、新しいコンテンツと出会う機会が増え、再生数が伸びるとさらに多くのユーザーに拡散されるという好循環が生まれます。
3.少ない予算でも広がる可能性がある
さらに、ショート動画は制作コストの面でも大きなメリットがあります。ショート動画の尺は通常15秒から60秒程度と短く、長尺映像制作に比べて撮影や編集にかかるコストが圧倒的に低く抑えられます。スマートフォン一台でも十分にクオリティの高いコンテンツが作れるため、少ない予算でも広いリーチを狙える点が、多くの企業にとって魅力となっています。
玩具メーカーと相性が良い3つの理由
では、なぜショート動画は玩具メーカーにとって特に相性が良いのでしょうか? 実際の販促に活かすための視点として、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
1.視覚的な楽しさを伝えやすい
おもちゃの面白さは、静止画や文字では伝わりにくいものです。たとえば、以下のような商品は、動き・色・ギミックを「短く見せる」ことで一瞬でワクワク感を伝えることができます。
- ボタンを押すとパーツが飛び出す変形ロボット
- ぐるぐると高速で回るミニカーのコース
- しゃべるぬいぐるみ
2.子どもが主導して親の購買行動を動かす
ショート動画は、以下の購買構造を自然に生み出します。
- 子どもが「これ欲しい!」と自発的に言う
- 子どもの声を聞いた親が調べる・買う
子どもたちにとって、「動画で見たもの」は単なる情報ではなく、「体験した気持ち」に近いインパクトを持つからです。そして、その子どもの興味関心は、親の意思決定を大きく左右します。
3.情報を“楽しさ”として届けられる
説明文では伝わらないポイントも、遊びの瞬間を動画で見せるだけで一気に理解が進みます。
- 「遊んでみた」動画
- 開封からリアクションまでの流れをストーリー化する
このようなショート動画は、商品特性と感情を同時に訴求できるため、親子での共感を生みやすいです。
最初の一歩:動画を始める前に考えるべきこと
続いて、実際に動画施策を始める前にどんな準備や戦略を立てておくべきかを明確にしておきましょう。無計画に投稿するのではなく、以下のステップを踏むことで、成果につながりやすくなります。
目的を明確にする
最初に、目的を明確にすることが重要です。認知拡大が狙いならインパクト重視、EC誘導が目的なら購入メリットを伝える、店頭誘導なら実物体験を促す演出が効果的です。ゴールに応じて、動画の構成や表現は大きく変わります。
- 認知拡大:視覚的な印象に残る演出
- 使い方や消費者にとっての利益や特典を見せる
- 商品を手に取る楽しさ、現地だけで体験できる魅力を伝える
誰に届けたいかをはっきりさせる
次に、誰に届けたいかを明確にする必要があります。子ども向けなら楽しくかわいい演出、親向けなら安心感や機能性、親子向けなら一緒に遊ぶシーンを意識するなど、ターゲットによって見せ方や語り口調を調整しましょう。
競合や事例を見てインスピレーションを得る
また、競合や事例をリサーチすることも欠かせません。例えば、トイザらスはTikTokで「おもちゃ×マジック」の動画を展開し、累計再生数22億回を達成しました。売り込み感を抑え、「純粋に面白いから見る」仕掛けが成功の鍵となりました。このような成功事例を参考に、自社ならではの魅力を引き出すヒントを探しましょう。
初心者でも取り組みやすい動画アイデア3選
実際に何から始めればいいかわからない方のために、まずは再現しやすい3つの動画タイプをご紹介します。それぞれの動画が誰に・何を伝えるのかを意識するだけで、短尺でも大きな効果が期待できます。まずは1つのタイプに絞って、小さく始めてみましょう。
動画タイプ | 内容 | 狙い |
---|---|---|
遊んでみた動画 | 子どもが実際に遊んでいる様子を見せる | 使用イメージ/感情の共感 |
商品紹介 | 特徴をわかりやすく紹介(ギミックなど) | 機能理解/親向け訴求 |
ハッシュタグチャレンジ | 簡単なポーズや遊びを促す参加型企画 | 拡散・UGC生成 |
成果をどう測る?まず見るべき3つの数字
投稿して終わりではなく、効果を振り返ることも大切です。特に初めのうちは、以下の3つの指標を見ておくだけでも十分です。
指標 | 意味 | 見る理由 |
---|---|---|
再生回数 | どれだけ見られたか | 認知の広がりをチェック |
平均視聴率 | 最後まで見られているか | 興味の持続度 |
コメント/保存数 | 視聴者の反応 | 興味の深さを測る |
例えば再生回数が多くても視聴率が低い場合は、動画の序盤がつまらなかった可能性があります。反対に、保存数が多ければ、「あとで見返したいほど価値があった」と言えます。数値をヒントに、次の改善策を見つけていきましょう。
まずは「1本作って出してみる」ことが第一歩
ショート動画は、玩具の魅力を動きや楽しさで伝えられる相性抜群のマーケティング手法です。成功のカギは、完璧を目指すより「まず1本出してみる」ことです。たった1本でも投稿すれば、視聴者のリアルな反応が見え、次の施策へのヒントが手に入ります。
この一歩が、やがて大きな成果への第一歩となるでしょう。
さらに、ショート動画で喚起した興味を、確実な購買行動へとつなげるためには、「親子の会話」を生み出す仕掛けも重要です。親子間では、子どもから親への「これ欲しい!」という自発的な発信が購買行動を大きく左右します。そして、そのような発信を活性化させるツールとして注目したいのが、学校で毎日使う「学習ノート」です。
株式会社スフレが提供する「応援ノート」は、企業広告を掲載した学習ノートを全国の学校に配布し、家庭内での自然な親子の会話を引き出す接点として活用されています。ショート動画で興味を高め、応援ノートで家庭内の会話につなげる、といった連携が、購買のきっかけを生み出す強力な施策となるのです。
応援ノートの具体的な活用方法や掲載事例については、ぜひ媒体資料をご覧ください。
