
「クリックはあるのに体験申込がこない」「体験はあるのに入塾につながらない」「広告費用だけが上がる」──これらは、学習塾の集客においてよく直面する課題です。このような状況を放置すると、無駄な広告費が膨らむリスクがあります。
本記事では、塾の集客で直面する課題ごとに、原因と改善策を整理したフレームをご紹介します。このフレームを活用し、改善を繰り返すことで着実な成果へとつなげていきましょう。

目次
- 学習塾の広告で押さえるべき3つの指標|CVR・CPA・LTV
- 「反応が出ない」課題別チェックリスト
- 塾の広告で見落としがちな“見落としがちな”3つのポイント
- 塾の集客効果を最大化する改善ステップ
- オンライン×オフラインで集客を安定化|おすすめ媒体と活用法
- まとめ|広告費が無駄にならない塾集客へ
- ターゲティングの最適化なら「応援ノート」
学習塾の広告で押さえるべき3つの指標|CVR・CPA・LTV
広告運用を改善するためには、まず基本指標の理解が不可欠です。
CVR(コンバージョン率)
広告やWebページを見た人のうち、実際に成果につながった割合を示す指標です。塾の場合、クリックしたユーザーのうち、体験申込や問い合わせに至った割合がCVRとして計測されます。
・CVR=体験申込/問い合わせ数÷クリック数
・Google広告業界平均指標:平均CVR(検索) 3.39%
出典:WordStream,2025,「Google Ads benchmarks for your industry 」
CPA(1件あたり獲得単価)
1件の成果を獲得するのにかかった広告費を表す指標です。
・計算式:CPA=広告費÷体験申込/入会者数
・Google広告業界平均指標:平均CVR(検索):11,172円
出典:WordStream,2025,「Google Ads benchmarks for your industry 」
LTV(顧客生涯価値)
1人の顧客から得られる総利益を表す指標です。塾においては、入会した生徒が在籍期間中に支払う授業料や教材費などの総利益がLTVとなります。
・LTV=1顧客あたりの総利益
・参考指標:
例:CPA 10,000円・LTV 100,000円 …1万円の費用で、10万円の価値を感じる生徒を迎えている
CPA 5,000円・LTV 10,000円 …5千円の費用で、1万円の価値を感じる生徒を迎えている
→LTVが高い顧客ほど投資利益率が高まり、持続的な集客が可能
「反応が出ない」課題別チェックリスト
学習塾の広告運用では、成果指標(CPA・CVR・LTV)が振るわない原因を正確に把握することが重要です。複数の課題が同時に発生することも多いため、以下のチェックリストで改善すべき項目の優先度を整理していきましょう。
| 課題 | よくある原因(チェック) | 改善策 |
|---|---|---|
| クリック数が少ない |
|
・地域・学年・科目で配信を絞る ・LPと同じ訴求を広告文に入れる ・「比較ワード」より「目的ワード」で入札 ・配信時間をテストし最適化 |
| クリックはあるが問い合わせ少ない |
|
・LPに「比較」「料金」「時間割」を明記 ・モバイルフレンドリーに改善 ・LP構造を簡略化 |
| 体験申込はあるが入塾しない |
|
・当日フォロー・翌日フォローをルール化 ・体験レポート送付 ・比較表付き資料を提供 |
| 媒体を増やしても費用が増える |
|
・QR・専用TELで流入を分ける ・紙×Web効果を統合可視化 |
| LTVが低い |
|
・継続面談や紹介制度を導入 ・アップセル講座設計 ・CRM連携→広告パーソナライズ & リターゲティング |
塾の広告で見落としがちな“見落としがちな”3つのポイント
塾の広告改善を進める際は、一般的なマーケティング指標や上記の改善フレームに加えて、塾特有の条件を踏まえることが重要です。
商圏の見極め
塾の商圏は「自宅から近い教室」だけではありません。自宅〜学校〜塾の生活導線に沿って選ばれるため、通学路・最寄駅・バス停・送迎ルートといった移動動線を起点に捉えることが重要です。例えば、Google広告の半径指定ターゲティングやエリア指定配信に加え、問い合わせ履歴や体験申込の郵便番号データを分析し、反応が高いエリアを重点的に費用を投下することで、限られた予算を成果につながりやすい範囲に集中できます。
保護者に響く情報設計
入塾の最終判断には、子ども本人だけでなく保護者が深く関与します。そのため、広告やLPには、単なる塾の魅力訴求ではなく、家庭の中で比較・検討できる具体的な情報が必要です。以下のような情報提供は、安心感を与えるだけでなく「納得して選んだ」という保護者の心理的満足につながり、口コミや紹介にも波及します。
- 授業料・費用の考え方(料金表 or 目安)
- 教育方針・指導体制
- 学力が変化した実例・合格実績
- 体験授業の流れ・申込導線
- 通塾手段や安全面
季節性を踏まえた配信設計
学習塾の集客では、春・夏・冬の講習や繁忙期直前に広告量を増やすだけでは成果につながりにくいケースが多く見られます。入塾までに保護者は塾を検討する期間が必要なため、募集開始のタイミングから逆算した広告設計が重要です。
例)講習の集客フロー:
・募集開始の約4週間前:認知目的のプレ配信
・2〜3週間前:体験申込・資料請求導線を強化
・直前期〜開始期:本配信で検討層を刈り取り
このように、短期的な広告運用ではなく、検討プロセスに合わせた設計を行うことで、講習や入会時期に向けて安定的に集客できるモデルを構築できます。
塾の集客効果を最大化する改善ステップ
課題の特定ができたら、次は広告費の効率を高める具体的な手順に落とし込みます。ここでは、改善策の実行、数値確認、PDCAによる最適化までの流れを整理します。
①対応する改善策をまずは1つ実行
課題ごとに改善策を1つ選び、小さく改善→効果測定→次の改善という順序で実施します。例えば、CVRが低い場合は「LPのCTAボタンの文言を変える」「問い合わせフォームの項目を減らす」といった変更でも十分です。1つずつ成果を確認することで、最も効果的な施策が見えてきます。
②改善前後でCPA・CVR・LTVを比較
改善策の効果は数値で確認しましょう。例えば、広告文を変更した場合、クリック率や問い合わせ率の変化を比較するだけで改善の有無が分かります。これにより、LTVが高い顧客や効率的な媒体に予算を集中させる判断が可能になります。
③PDCAで継続的に最適化
デジタル広告と紙媒体を統合し、効果測定→改善→最適化にむけたPDCAサイクルを回します。具体例としては、動画広告の視聴完了率やチラシの問い合わせ反応を週次で確認し、反応の良い広告文や配信タイミングを調整することです。このプロセスを継続することで、広告費を最大限に活かし、安定した集客成果を実現できます。
オンライン×オフラインで集客を安定化|おすすめ媒体と活用法
改善策を実行する段階では、オンラインとオフラインの媒体を組み合わせ、目的やターゲットに応じた運用が重要です。認知から入会・継続まで、各フェーズで最適媒体を活用し、数値を確認しながら配分を調整することで、より効率的に集客できます。
| フェーズ | 目的 | おすすめの媒体 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 認知 | 教室・講師・塾の存在を認知させる |
・SNS広告(短尺動画/リール) ・チラシ/応援ノート |
・動画で教室の雰囲気を伝達 ・紙媒体で家庭内露出&印象定着 |
| 興味関心 | 資料請求や体験申込につなげる |
・リターゲティング広告 ・DM郵送/応援ノート ・LP誘導(簡易資料請求) |
・再接触で検討層の底上げ ・オフラインで信頼感醸成 |
| 比較・検討 | 体験予約・資料請求 |
・検索広告+LP ・リターゲティング+LP |
・「塾名+地域+学年」で精度高く獲得 ・未申込層に適切な再接触 |
| 体験後フォロー | 入会意欲の最大化 |
・レポート送付/学習フィードバック ・パンフレット送付 |
・手元に残る情報で信頼構築 ・家庭内共有が自然に生まれる |
| 入会・継続 | 継続・紹介促進 |
・LINE配信(講習案内) ・紹介キャンペーン施策 |
・講習案内・定期連絡 ・開封率・クリック率でセグメントし、適切な情報を配信 |
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まとめ|広告費が無駄にならない塾集客へ
塾の集客で反応が出ない場合、広告費を増やす前に「課題→原因→数値→改善策」の順で現状を整理することが重要です。また、CVRやCPAだけでなくLTVを意識し、継続利用や紹介、信頼構築を含めた長期的な視点で広告運用を設計すると、無駄な広告費を抑えつつ安定した集客成果が期待できます。
まずは課題と原因の分析から着手し、改善策を一つずつ積み重ねることで、無駄のない広告費活用と安定した集客を目指していきましょう。
ターゲティングの最適化なら「応援ノート」
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