オフライン広告は、消費者との接点を増やし、認知獲得や行動喚起、企業イメージの向上において重要なマーケティング手法です。
しかし、現代のマーケティングでは、広告効果を可視化し、「効果的な施策であったか」を分析することが不可欠となっています。そこで、今回はオフライン広告がもたらす効果とその指標について解説します。

オフライン広告がもたらす効果
認知度向上
新聞や雑誌広告、看板広告などのオフライン広告は、消費者が商品名を検索する前の「非認知層」に対してアプローチし、認知を高めることができます。特に紙媒体の広告は、手元に残りやすく、記憶に残りやすいため、認知度を向上させる効果が非常に高いと考えられます。
購買・行動喚起
オフライン広告は、特定のターゲット層に深く浸透し、購買行動を促進する役割を果たします。直接的な購買を促すのは難しい場合もありますが、広告によって認知を向上させた後、LPやSNS、イベントなどへ誘導することで、間接的に購買行動を喚起する効果があります。このようなプロセスを生み出すためにオフライン広告は非常に効果的です。
ブランドイメージ構築
オフライン広告は、テレビや新聞、雑誌といった「マスメディア」という信頼性の高いメディアを通じて配信されることが多く、消費者からの信頼を得やすい特徴があります。このため、消費者が信頼できる媒体で掲載された広告は、ブランドや商品に対する信頼性を高め、ブランド価値の向上にもつながります。
媒体別にみる指標
オフライン広告の効果は、目的によって多岐にわたります。それぞれの効果を正確に測定するためには、適切な指標の選定が不可欠です。以下に、主要なオフライン広告媒体と、それに関連する指標の一例をご紹介します。
広告媒体 | 指標 |
---|---|
新聞広告 |
・読者リーチ数…発行部数や閲読率から広告接触人数を推定 ・CPR…サンプルの申込やトライアルセットなどのお試し商品のレスポンス獲得にかかった広告費用 ・CPO…1件の注文獲得に対しかかった広告 |
雑誌広告 | ・販売部数、発行部数…出稿した雑誌の販売数、発行部数からリーチ数を算出し、広告効果を測定 |
フリーペーパー | ・集客効果…店舗への来店率や自社商品を購入した人の具体的な数字 |
郵送DM |
・レスポンス率…反応率 ・CVR…目標行動をとった人の割合 ・CPR…サンプルの申込やトライアルセットなどのお試し商品のレスポンス獲得にかかった広告費用 ・CPO…1件の注文獲得に対しかかった広告費 ・WEBサイトへのアクセス数 |
看板広告 |
・視認率(注目度)…通行人の数と看板を見る人の割合から算出 ・想起率…アンケート調査やSNSで記憶への定着を確認 ・アクション率…クーポン提示数や看板限定のフリーダイヤルへの着信など |
電車広告、駅広告 |
・広告到達率…掲載期間中広告を見た、と回答した人の割合 ・媒体接触者数…広告が掲出された路線や車両の利用者数をもとに、広告に接触したと推定される人数 ・行動変容率…広告を見た後に、具体的な行動を起こした人の割合 |
イベント・展示会 |
・参加者数…イベントや展示会に参加した人数 ・アンケート回答数…自社への関心度や市場ニーズを分析 ・webサイトアクセス数…webサイト訪問者からオンラインへの波及効果を評価 ・SNSフォロワー数…SNSフォロワー数からブランド認知の向上を測定 ・LTV…来場した顧客が将来的にどれだけの利益をもたらすか評価 ・ROI…出店にかかった費用に対する広告効果の評価 |
ノベルティ |
・反応率…ノベルティ配布数に対して何らかの反応があった割合 ・CVR…目標行動をとった人の割合 ・CPO…1件の注文獲得に対しかかった広告費 ・ROI…ノベルティ配布にかかった費用に対して生まれた利益を評価 ・WEBサイトアクセス数、SNSでの言及数…配布前後のブランド認知 |
目的別に見る広告媒体の紹介
各メディアで測定可能な指標は異なりますが、期待する効果や測定可能な指標に基づいて最適な広告メディアを選ぶことが重要です。続いては、各効果に適したメディアを確認していきます。
認知獲得の場合
- 新聞広告:全国紙では広範囲のリーチ、地方紙では地域密着型のリーチにより対象エリアを網羅することができます。
- 雑誌広告:特定の分野に関心を持つターゲット層への認知度向上に効果的です。
- 看板広告:視覚的なインパクトが強く、看板付近に住む人や通行人など広範な認知を促進できます。
- 電車広告:移動中の消費者にアプローチし、特に都市部で広く認知を高めることができます。
購買・行動喚起の場合
- 郵送DM:QRコードやクーポンを活用して、消費者に直接的な行動を促すことができます。
- イベント・展示会:参加者に直接的な体験を提供し、その場での購買や行動を促進しやすくなります。
- ノベルティ:実際に手にした消費者が行動を起こしやすく、リピート購入を促す効果があります。
ブランドイメージ構築の場合
- 雑誌広告:特定のターゲット層に商材や企業の魅力を詳細に伝え、ブランドイメージの構築に効果的です。
- 駅広告・看板広告:通行人に強い印象を与え、ブランドの認知度と信頼感を高めます。
- イベント・展示会:ブランドの価値を直接伝える機会を提供し、消費者との深い関係を築けます。
オンラインとの連携による測定
上記の指標以外にも、以下のようなデジタル技術を活用したトラッキング手法も導入することで、消費者の行動データをより正確に把握できるようになります。
QRコード・専用URLのトラッキング
UTMパラメータを含むURLやQRコードを利用することで、オフライン広告経由の流入を正確に計測できます。どの媒体がどれだけの流入を生んだかをGoogle Analyticsやその他の解析ツールで把握できます。
ジオフェンシングとビーコン技術
特定のエリアに入ったユーザーに対して、広告を配信したり、店舗訪問データを取得したりする技術です。例えば、駅広告を見たユーザーが実際に店舗を訪れたかを追跡することが可能です。
カスタマーマッチ & リターゲティング
オフライン広告で集客や会員登録などの行動喚起に成功した顧客の情報を活用し、オンライン広告をパーソナライズして配信します。これにより、オフラインの来店データとオンラインの行動データを組み合わせたターゲティングが可能になります。
まとめ
オフライン広告は、消費者との接点を増やし、ブランド認知や購買行動を喚起するための非常に効果的な手段です。しかし、その効果を正確に測定し、ROIを明確に算出するためには、適切な指標を設定することが必要不可欠です。本記事でご紹介した指標や目的別のメディアに関する情報が貴社のマーケティング施策の最適化につながれば幸いです。
また、オフライン広告の効果測定が可能な手法の1つとして、株式会社スフレが提供する「応援ノート」があります。この「応援ノート」は、企業広告を掲載した学習ノートを教育機関を通じて子どもたちに配布する仕組みであり、子どもを介して保護者層へのアプローチも実現できます。QRコードを掲載することでオンラインコンテンツへの誘導、その他、クーポンの同梱やアンケート調査など、さまざまな効果測定を行うことが可能です。今まで、紙媒体で効果を得られなかった、という方も、「応援ノート」を取り入れてみることで、これまでにない効果を感じていただけるかもしれません。
以下の資料では、「応援ノート」を用いた効果測定事例をご紹介していますので、ご興味のある方は合わせてご確認ください。
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