少子化が進む一方、大学数の増加や学部の新設など大学における学びが多様化し、入学者の集客が困難になっています。そのような中で、入学者を確保するためには大学広報を強化する必要があります。
本記事では、中高生・保護者の考え方と行動の変化から大学広報のポイントをご紹介します。
大学進学における考え方や行動の変化
進路選択おける情報収集の早期化
高校入学前や高校1年生から大学進学について考え始める学生が増えています。リクルート進学総研による進路選択の行動時期に関する調査では、「どんな学校があるかを調べ始めた時期」「第一志望の大学・短大・専門学校を見に行った時期」などの項目において、行動を起こしている、高校入学前や高校1年生の学生が年々増えていることが分かりました。
リクルート進学センサス2022 「進路選択行動時期の経年比較」
大学進学における情報収集方法の変化
株式会社ペンマークによる「高校生活実態調査」では、大学受験の情報収集方法として「オンライン学習プラットフォーム」を利用する高校生が50.7%と最多で、「各大学の公式サイト」による情報収集が35.7%でした。
学生による情報収集方法は、オンライン教育の普及により効率的に情報収集ができるツールへの需要が高まってることが分かります。
株式会社ペンマーク 2023年「高校生活実態調査」
進学大学を決める時に重視するポイント
進学大学を決める際に「学ぶことができる内容」が重視されています。マイナビ進学総合研究所による調査では、高校生・保護者ともに志望校選びで重視するポイントとして「学びの内容」が選ばれています。また、「資格取得」に関する項目も共通で重視されていることから、大学卒業後の将来を見据えて進路を考えている様子がうかがえます。
▼ 高校3年生 志望校選びの際「重視するポイント」
マイナビ進学総合研究所「高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査2023年3月実施 調査報告書」
▼保護者 子どもの進学先を最終的に1校に決定する際の決め手
マイナビ進学総合研究所「高校生の進路に関する保護者調査2023年5月実施調査報告書」
中高生・保護者の考え方と行動を押さえた大学広報戦略
前途した内容から、中高生・保護者の考え方と行動を押さえた大学広報戦略をご紹介します。
①SNSの活用
大学広報の戦略として、まず大学を認知してもらい興味を持ってもらう必要があります。大学名を知らない中高生や保護者にホームページを見てもらうことは難しいため、InstagramやTikTok、X、FacebookなどSNSを活用することで認知拡大や興味を促します。
SNS活用時のポイント
◎ターゲットの分析:
中高生と保護者層がよく使用するSNSを活用し情報発信を行います。学生や保護者のニーズを把握し、各SNSで適切なコンテンツ戦略を立てましょう。
◎学生との共同制作:
学生の視点で作成されたコンテンツは信頼性が増し、共感を呼びやすくなるため、学生アンバサダーを活用すると効果的です。
具体例
◎Instagram:
キャンパスの魅力を視覚的に訴える写真スライドや、イベントのハイライト動画を投稿し、ストーリーズで学生の日常を紹介。
コンテンツ例)オープンキャンパス、学園祭などのイベント情報、留学プログラム紹介、週末の過ごし方、通学必須アイテム、学食紹介、ファッション紹介など
◎TikTok:
学生生活のブログや、学生インタビューのショート動画などを紹介し、学生に身近に感じてもらえる動画を配信。
コンテンツ例)学生生活の1日、学部の学びについて、大学を選んだポイント、卒業後の進路、キャンパスのおすすめスポットなど
②独自性や強みの言語化
大学広報において、高校入学前や高校1年生など早い時期から大学を認知してもらい、興味を持ってもらうことが重要です。獲得したい学生像を設定したうえで、他大学とは異なる強みをアピールすることで、差別化したポジションを確立させることができます。
大学の差別化とアピールのポイント
◎学生の視点を取り入れる:
大学側がアピールしたい情報が、中高生や保護者の求めている情報とは限りません。在学生に協力してもらい、学生の視点から大学の魅力や入学決定ポイントを整理しましょう。
◎獲得したい学生のペルソナ設定:
獲得していきたい人物像と、中高生や保護者に向けて押しだすべき価値を、学生の視点を取り入れながら明確化すると効果的です。
◎SEOの最適化:
学生がリサーチをした時に自大学が上位表示されるようにSEO対策を行いましょう。例)「●●学科+大学」「業種+採用大学」など
③リアルな学生体験の提供
中高生や保護者に向けて、「この大学に入学したい」「この大学に子どもを入学させたい」と思ってもらうためには、リアルな学生生活や魅力を体験できる機会を提供し、理解を深めてもらう必要があります。
リアルな学生体験の実施ポイント
◎学生との直接交流を増やす:
キャンパスツアーや説明会など、進学を考えている中高生や保護者が在学生と直接交流し、質問や抱えている不安を解決する機会を提供します。在学生との交流で、学生の雰囲気や大学の環境をリアルに感じてもらうことができます。
◎多様なコンテンツの提供:
オンライン説明会、バーチャルオープンキャンパスなどのイベントは遠方に住んでいる人でも気軽に参加しやすいです。また、中高生向け授業プログラムや公開授業を行うことで、より大学の理解を深めてもらうことができます。
「選ばれる大学」になるために
学生募集競争が激化する中で、「選ばれる大学」になるためには、中高生や保護者の考え方と行動に沿った情報提供や、どれだけ他大学との差別化をアピールできるか、が大学広報では重要なポイントです。
学生や保護者へのアプローチ方法として、スフレの「応援ノート」という選択肢もあります。「応援ノート」は、子どもや学生を対象とした無料ノートを配布するサービスです。ノート中面には学校のカリキュラムや入試情報などのメッセージを載せることができ、中高生にダイレクトにアプローチすることが可能です。また、ノートの広告内容は家族との会話につながりやすく、保護者層へのアプローチも可能です。学生の獲得にお困りの担当者様は、まずはお気軽にご相談ください。