大学の広報担当者にとって、限られた予算内でいかに効果的に認知拡大や入学者を獲得するかは大きな課題です。特にオープンキャンパスや大学説明会などの大学イベントの集客を目的とした施策においては、予算が限られている中で最適な施策を選び、無駄なく予算を活用することが求められています。本記事では、3つの予算別に実践できる施策についてご紹介します。

大学広報の施策の種類と特徴
オフライン施策
オフライン施策には、パンフレットやチラシ、イベント、ノベルティ配布などがあります。これらは、学生への直接的なアプローチで印象を残すことができます。特に、大学のオープンキャンパスや説明会では、現地で直接配布される資料が参加者に強い印象を与えるため、欠かせない施策です。しかし、これらの施策が響くターゲット層の範囲は限られており、無駄に広範囲に実施すると効果が薄れるため、ターゲットの絞り込みが重要です。
オンライン施策
オンライン施策には、SNS広告やSEO対策、コンテンツマーケティングなどがあります。特にSNSはターゲティング精度が高く、少ない予算でも効率的に広報活動ができます。また、学生や保護者が普段利用しているSNSを活用すれば、より効果的な集客が可能になります。さらに、SNSは拡散力が高いため、キャンペーンなどの一時的な施策にも適しています。
メディアとの提携
大学広報では、新聞やテレビ、雑誌などの伝統的なメディアに頼ることもあります。ただし、これらの広告はコストが高いため、予算が限られている場合には慎重に選定する必要があります。
予算別施策の選定方法
大学広報における全体予算は、年間で数千万円から数億円といわれていますが、予算の使い方は大学全体のプロモーションや学部別など、大学によって異なります。今回は3つの予算規模に分けて施策をご紹介します。
スポット施策(単発施策、短期間のイベント)
予算規模:50~100万円
施策例:
- SNS投稿(Instagram.TinTok)
ターゲティング機能が強力なInstagramやTikTokを活用し、即効性のある効果を狙います。SNS投稿は基本的に無料ですが、外部へ委託する場合は委託内容により費用が異なります。(5~50万円)実際に、京都産業大学のTikTokアカウント「好きな先輩が行ってる大学。」では、在学中の学生達が自ら大学の魅力や仲の良さを発信し、2投稿目で130万再生を突破、総再生回数は500万再生を記録しました。
- 進学情報誌・ローカルメディアへの広告掲載
特定の地域や学校に絞った広告で認知拡大を図ります。(地方局のテレビCMの場合:50~100万円)
- オンラインイベント(Zoom、Teamsなど)
無料で利用できるツールを使用したオンラインオープンキャンパスや説明会で、全国規模での集客が可能です。
数ヵ月にわたる広報活動
予算規模:100~200万円
施策例:
- SNS広告とオフライン施策の組み合わせ
SNS広告(50〜150万円)を中心に進学フェアや説明会(50〜100万円)を組み合わせ、集客効果向上と学生との接点を創出します。
- 動画コンテンツ制作
YouTubeやSNSで大学の魅力を伝える動画コンテンツを制作し、学生や保護者にも視覚的に訴求します。(30~80万円)
- オンラインオープンキャンパス・バーチャルツアー
遠方の学生にも参加してもらえるよう、オンラインでのオープンキャンパスやバーチャルツアーを実施することで学生にリアルな情報提供が可能です。(50~100万円)
立命館大学や早稲田大学ではバーチャルキャンパスツアーを提供しており、留学生の入学者促進に貢献しています。
- ローカルメディア・地域向け広告
地元メディアや地域向けイベントなどで露出を図り、学生や保護者層への認知浸透や興味喚起を行います。(30~70万円)
- SEO・コンテンツマーケティング
大学のウェブサイトやブログなど、オウンドメディアのコンテンツの強化を行い、長期的な認知度向上を図ります。(30~80万円)
例えば、近畿大学の情報をまとめたサイト「Kindai Picks」では、研究・教育の情報から就職活動、イベント、卒業生で活躍している方への取材レポートなどさまざまなジャンルの情報を発信し、大学の魅力をアピールしています。
年間施策(長期的ブランド価値の向上を目指す広報活動)
予算規:300万円以上
施策例:
- オンライン・オフライン広告の組み合わせ
上記でご紹介したオンライン広告(SNS・Google広告)、オフライン広告(テレビ、ラジオ、交通広告など)をバランスよく組み合わせ、広範囲にアプローチしましょう。
- 定期的なメディアへの露出
プレスリリース配信や教育に関心のあるメディア(大学ジャーナルやリクナビ進学など)に情報提供を行い、大学認知度を長期的に高めます。
- 大型イベントの開催
大規模な学外イベントやキャンパスイベントなどを開催し、多くの学生に直接アプローチします。(800~1,000万円)
施策ごとの相場費用一覧
施策内容 | 相場費用 |
SNS投稿 | 外部委託:約5~50万円(月額) |
ローカルメディア・地域向け広告 | ローカルテレビCM:約50~100万円 ローカルラジオCM:約10万円~ フリーペーパー:約50~80万円 応援ノート:約70万円~ ※地方の局、制作費、放送日、掲載枠により費用は異なります。 |
オンラインイベント(Zoom、Teams) | 無料 ※プランによって料金が異なります。 |
SNS運用 | 運用代行費用:約10~50万円(月額) |
動画コンテンツ制作 | 制作費用:約30~80万円 |
オンラインオープンキャンパス・バーチャルツアー | バーチャルツアー実施費用:約50~100万円 |
SEO・コンテンツマーケティング | コンテンツ全般支援:約30~100万円(月額) |
大型イベントの開催 | イベント企画~開催費用: 例)学園祭:約800~1,000万円 |
効果的な予算配分で大学広報を最適化し、集客を加速
限られた予算で最大の効果を得るためには、施策を効果的に組み合わせることが大切です。オンライン施策のターゲティング精度を活かしたり、オフライン施策で直接的なアプローチを行うなど、各媒体をうまく活用することで、大学広報活動を効率的に進められます。
より効果的な広報施策を模索しているのであれば、学校経由で直接配布される実用的な広告媒体「応援ノート」もおすすめです。「応援ノート」は学校の情報が掲載された学習ノートを教育機関を通じて子どもや学生に無料配布するサービスです。ターゲット層の絞り込みや学生へのダイレクトアプローチ、長期的に保存されるといった特徴から、効果的なアプローチが可能な広告媒体となります。「限られた予算内で広告施策を最適化したい」「予算内で新しい施策を模索している」などお困りのご担当者様は、ぜひスフレの「応援ノート」をご検討ください。
実際に応援ノートを活用いただいた大学様のインタビューはこちら
