一度に多くサンプリングできる手法の1つとして学校サンプリングがあります。特に、ゲーム・おもちゃ・食品・日用品などの商材は、学校サンプリングを行うことで、子どもやその保護者など親和性の高いターゲットへ訴求できます。しかし、学校では販促物の制約が厳しく、サンプリングの実施が難しいのが現状です。
そこで、本記事では教育支援や社会と連携しながらサンプリングを成功させるポイントをご紹介します。
学校サンプリングのメリットと課題
メリット
- 興味関心をひきやすい
- 記憶に残る体験の提供
- 家族や友人との共有を促進
サンプリングには上記のようなメリットがあります。子ども・大人に限らず、新しいものや面白いものに対しては興味関心を引きやすく、実際に商品を試す機会は記憶にも残りやすくなります。
また、学校で配布されたサンプルは、家庭に持ち帰られることが多いです。そのため、園児や小学生など保護者が配布物を確認する傾向が高い年齢層は、家庭での会話のフックになります。中高生や学生は、友人同士の共有を期待することができることから、学校でのサンプリングは商品ごとに親和性の高いターゲットの購入を促しやすくなります。
学校サンプリングの難しさ
- 販促物の制約
教育現場として、学校のカリキュラムや教育方針に矛盾する販促物は学校から否定的なイメージを持たれやすくなります。
また、教育機関として中立性を保つ必要があることや、営利目的のメッセージを受け取ることに不安を抱える保護者もいるため、企業の営利目的の活動には消極的です。特に、学校への持ち込みが禁止されるような商品のサンプリングや十分な判断力がない園児や小学生に向けたサンプリングはよりハードルが高くなります。
学校でサンプリングを成功させるためのポイント
教育支援や地域との連携によるサンプリング
前述した理由から学校サンプリングを行う時は、学校や保護者に喜ばれる企画であることが重要になります。その企画の1つとして、教育支援や地域との連携したサンプリングは企業のイメージが向上し、学校の理解や協力を得やすくなります。また、「子どもの成長や教育を支援する企業」としての印象が商品の購入の一押しにつながる可能性があります。
ここからは、「学校や保護者に喜ばれやすい企画」について具体的な企画案や実施事例をご紹介します。
教育支援や地域と連携したサンプリング企画案
- サステナビリティに関する出前授業+サンプリング
近年、小学校・中学校・高校では新学習指導要領の中に「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されたことから、サステナビリティに関する教育への関心が高まっています。
例えば、環境に配慮した素材の商品やその製造過程、企業が行っているサステナビリティ活動など、教員だけでは伝えきれない内容や、子どもに知っておいて欲しいという授業内容は学校の興味を引きやすくなります。このような授業とあわせて、授業で紹介した商品や授業への参加賞としてサンプリングを行うと学校の理解を得やすくなります。
- 「遊びながら学ぶ」出前授業+サンプリング
子どもたちが楽しみながら学べる体験型授業とサンプリング活動を組み合わせた教育支援の取り組みです。例えば、算数やプログラミングといったスキルの習得をテーマに、ブロック、パズルなどを使用しながら、プログラミングに必要な考え方を学びます。特に、プログラミングやキャリア教育などの科目は必修化されている一方で、教育の実践上で教員の知識不足や授業準備の負担などが課題となっています。このような学校のサポートができる内容は、学校にも喜ばれやすく、企業の製品やサービスの教育的価値を効果的に伝える仕組みとしても効果的です。
- リサイクルワークショップ
学校や地域のイベントで、サンプリングと合わせてリサイクルをテーマにしたワークショップを実施します。使用した商品の廃材を活用してミニクラフトを作る体験や、使用した商品と交換でノベルティがもらえるキャンペーンなど、楽しみながらエコ意識を育むことを目指します。実際にリサイクルされているような商材のサンプリングを行うことで、より学校の理解も得やすくなるでしょう。
学校サンプリング成功事例5選
玩具メーカー
次世代教育支援|株式会社タカラトミー
株式会社タカラトミーでは、「おもちゃ」を通した学びの支援として、オンライン授業にて「SDGsを楽しく学べる人生ゲーム」や「クイズ・ナゾトキ」などのコンテンツを提供しています。人生ゲームでは、「地域や学校、みんなの未来をより良くするために自分たちができることを考えよう♪」というテーマで、オリジナルのマス目を作りながらポスターを作成し、完成したポスターは販売中の人生ゲームにも使用できるようになっています。
また、クイズ・ナゾトキでは参加賞としてエコかるたやプラレール鉄道、スピードジェットのぬり絵、ペーパクラフトなどが志望校にプレゼントされています。
食品・飲料メーカー
その歯と100年。キシリトールプロジェクト|株式会社ロッテ
株式会社ロッテでは、「歯みがき・フッ化物・キシリトール」と「定期的な歯科健診」を普及させるため、自治体や歯科医師会と連携した活動を行っています。
具体的な活動として、キシリトールラムネのサーバーを保育園や幼稚園に約1年間無償提供し、歯の健康維持を支援しています。実際の商品を試すことで、園や家族で歯の健康について考えるきっかけを提供しています。
応援ノート|サントリーホールディングス株式会社
リニューアルした清涼飲料水のトライアル層の獲得ため、スフレが無料配布する「応援ノート」を通じて、全国の中学生8.5万人を対象に大規模な試飲を実施しました。コンビニエンスストアで清涼飲料水と交換できるクーポンを応援ノート内に挟み込み、配布しています。クーポンやノートには熱中症の注意を喚起する内容を掲載し、夏場の水分補給の重要性を中高生に伝えながら、学生に商品を手にする機会を創出しました。
日用品メーカー
衛生習慣化プログラム みんなで手洗い|花王株式会社
花王株式会社では、小学1. 2年生を対象に手洗いやマスクの重要性を楽しく学べる体験型プログラムを提供しています。このプログラムでは、授業用のスライド教材や実習用のハンドソープを学校に提供し、子どもたちが「上手な手洗い」を実践できるよう支援しています。
ちいくチラシ|クラシエ株式会社
クラシエ株式会社では、ヘアケア商品のプロモーションとしてスフレの「ちいくチラシ」を実施しています。この活動では、全国の園児にシャンプーやコンディショナーのサンプルと合わせて、子どもの知育にもつながるチラシを配布しました。
教育機関でのサンプリングの可能性
学校でのサンプリングは、企画内容により学校の理解や協力を得やすくなります。また、教育支援や地域と連携しながらサンプリングを行うことは、「信頼性」や「企業の好感度」など販売促進に特化したプロモーションだけでは、訴求しきれない部分で購入の後押しにもなり得ます。今後、学校でのサンプリングをお考えの担当者様はぜひ参考にしてみてください。
また、株式会社スフレが提供しているサービスでも学校へのサンプリングが可能です。
子ども向けの独自媒体や、教材制作などターゲットや学校のニーズに合わせたサンプリング手法をご提案いたします。企画・デザインから実施までのトータルサポートを行っておりますので、「子ども向けにサンプリングを実施したいが、どのような企画が良いか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。