オンライン広告の台頭により、オフライン広告は「広告効果がないのでは?」と感じることもあるかもしれません。しかし、ターゲットや商材によって、オフライン広告が効果的に作用する場合も多くあります。特に、ターゲット層や地域密着型の商材に関しては、オンライン広告だけでは補いきれない強みを持っています。
本記事では、紙媒体の基礎知識から主要なオフライン広告媒体の特性、費用感などを解説します。自社の商材や目的に対して最適な媒体をお探しの方はぜひ最後までご覧ください。

オフライン広告の基礎知識
オフライン広告とは、インターネットを介さずに消費者にメッセージを届ける手法です。オンライン広告との違いとして、公共性が高い広告が多く、消費者にとって信頼性のある広告としてイメージされやすいです。
また、オフライン広告はどの媒体でも一定の露出が保証されています。例えば、雑誌や新聞であれば印刷部数、テレビやラジオは放送期間、駅や街頭の広告は人目に付く場所に配置されているため、一定の人に見てもらうことができます。これによって、認知拡大や購買、集客といった行動喚起が期待できます。
さらに、オフライン広告はエリアを絞ったセグメントが可能です。例えば、折込チラシやダイレクトメール(DM)、同封・同梱広告などでは、年齢や地域、性別など、オンライン広告以上に細かくターゲット設定が可能な場合があります。これにより、より精度の高いターゲットにアプローチできます。
主要なオフライン広告媒体とその特性
以下にオフライン広告の代表的な媒体の特徴、リーチの広さ、適した業種をご紹介します。
媒体種類 | 特徴 | リーチの広さ | 適した業種 |
---|---|---|---|
新聞広告 | 信頼性が高く、広範囲なリーチが可能 | 広範囲(全国・地域単位) | 地元企業、金融、保険、不動産 |
雑誌広告 | 繰り返し読まれやすく、長期広告効果が期待できる |
中~広範囲 (特定読者層) |
ファッション、美容、健康、趣味、ライフスタイル |
折込広告 | 地域ごとにターゲットを絞った配布が可能。家庭に直接届く |
広範囲 (全国・地域単位) |
食品、日用品、地元商店 |
DM | ピンポイントアプローチ、パーソナライズが可能 | 中 | 保険、金融商品、美容、教育関連 |
フリーペーパー | 特定地域やターゲットに向けた広告展開が可能 | 中(地域限定) | 不動産、美容院、クリニック、家庭用品 |
屋外広告 | 移動中の人に広く視覚的なインパクトを与える | 広範囲(都市部・道路沿い) | 飲料、ファーストフード、消費財、新商品 |
電車広告 | 乗客に定期的なアプローチができ通勤・通学客への影響力が高い | 中~広範囲(都市圏) | クリニック、学習塾、地元サービス |
イベント・展示会 | 体験することで、商品・サービス理解を深められる | 中(参加者・規模による) | テクノロジー、電子機器、自動車、食品、エンタメ、教育関連 |
ノベルティグッズ | 実用的なアイテムを提供することで、ブランド認知を向上させる | 中~広範囲(配布方法・数による) | 小売業、飲食業界、イベント業界、教育関連、観光業界 |
子ども・ファミリー層向けのオフライン広告サービスはこちらの記事よりご確認いただけます。
オフライン広告の基本的な費用感
オフライン広告の費用は、媒体の種類や規模によって異なります。以下に代表的な広告媒体の費用感を紹介します。
媒体ごとの相場費用
媒体種類 | 広告掲載費用 |
---|---|
新聞広告 |
・突き出し 約60万円~ ・記事中 約40万円~ ・記事下 約130万円~ ・記事ばさみ 約25万円~ (新聞広告ナビ) |
雑誌広告 |
・男性向け雑誌(10~30代) 約150万円 ・女性向け雑誌(10~30代向け) 約120~270万円 ・ビューティー・コスメ誌 約150万円 ・生活実用情報誌 約170~250万円 ・多趣味・専門誌 約50~130万円 ・エンタテインメント情報誌 約110万円 (広告ダイレクト 2018年1~6月平均) |
折込広告 |
・B5(A5):約3~4.5円/枚 ・B4(A4):約3~4.5円/枚 ・B3(A3):約5~7円/枚 (PAPER AD 2025年) |
郵送DM |
・ハガキDM 70円/通~ ・圧着ハガキDM 90円/通~ ・封書DM 80円/通~ (PRONIアイミツ 2025年最新版) |
フリーペーパー |
・地域生活情報誌 1/8頁(東京の場合) 25万円 (シティリビング) ・ターゲットメディア 東京版 ディスプレイ広告 1/3頁 30万円 (あんふぁん) ・広告紙誌(関西の場合)1P分・1エリア 22万円~ (ぱど) |
屋外広告 |
・屋上広告 ‐設置費用 約50~200万円 ‐広告費用 月額約20~60万円 ・壁面広告 ‐設置費用 約10~200万円 ‐広告費用 月額約5~50万円 (東海広告株式会社 2022年) |
電車広告 |
・ドア横ポスター(1ヵ月 サイズB3) 約14~90万円 ・中づりポスター(1週間 サイズB3×2)約4.5~750万円 ・トレインチャンネル(1週間) 約20~480万円 ・ラッピング広告(山手線 2週間)約660~4,200万円 (交通広告ナビ) |
駅広告 |
・駅貼りポスター(1週間)1,600円~8.4万円 ・パノラマ(1週間) 50~100万円 (交通広告ナビ) |
イベント |
・PRイベント 200~300万円 ・講演会・セミナー 40~300万円 (比較biz 2025年) |
展示会 |
・展示会出展 80~150万円 (比較biz 2025年) |
ノベルティグッズ |
100円台/個 ・ペン ・エコバック 200~500円/個 ・タオル ・タンブラー 600~1,000円台/個 ・USBメモリ ・モバイルバッテリーカード (Shachi・maga 2024年) |
※上記費用は参考価格のため、媒体会社、地域、仕様、部数、車両、掲載期間などにより費用が変動します。
注意点
オフライン広告を実施する際には、制作費と掲載費が別々に発生します。上記では、掲載費の参考価格をご紹介しましたが、広告のデザイン費や印刷費用は別途発生しますので、掲載費用と合わせて総額を見積もることが重要です。また、掲載期間や掲載位置によっても費用が変動するため、事前にしっかりと計画を立てることが求められます。
まとめ
オフライン広告には多くの種類があり、それぞれに特性やメリットがあります。ターゲットや商材、キャンペーンの目的に応じて、最適な媒体を選ぶことが大切です。また、予算や費用感をしっかりと理解したうえで、効果的な広告展開を行いましょう。
さらに、オフライン広告を戦略的に活用するためには、その効果を測定し、どのように効果を分析するかが重要です。オフライン広告の効果測定に関する詳細な情報を知りたい方は、「オフライン広告がもたらす効果や効果測定指標」に関する記事もございますので、あわせてご参照ください。