少子化が進む一方で、学習塾や大学、教材メーカーなどの教育業界では、オンライン学習やAIを活用した新しい学習ツールなどが次々と登場し、多様なカリキュラムや新規参入企業が増えています。そのため、教育業界の競争は激化しており、他社との差別化を図り、顧客に選ばれるためにはブランディング戦略が必要とされています。本記事では、教育業界の業態別ブランディング戦略をご紹介します。
業態別ブランディング戦略
学習塾編
- ブランディングにおける信頼性構築の必要性
塾選びの基準として、成績UPや学校の進学率などの実績は勿論、「生徒にどのように寄り添うか」や、「個別対応が充実しているか」という点も子どもや保護者の判断材料になるため、信頼性の構築が必要です。 - 特有の課題と対策
課題:生徒獲得が難しく、収益が安定しづらい。
背景:少子化が進む一方で、個別指導・オンライン学習塾など様々な種類の学習塾が増加し、生徒獲得の競争が激化しているため。
対策:実績だけでなく、他の塾とは異なる指導方法や手厚いサポートなど指導においてのサポート部分を充実させ、ブランド価値を高めることが重要。 - 成功事例:河合塾
長年にわたる受験指導の功績や、志望校合格者数などの具体的データの公表など実績面での信頼性だけでなく、個別相談・メンタルケアなどの手厚い個別対応により「信頼できる塾」としてブランドイメージを確立しています。
大学編
- ブランディングにおける信頼性構築の必要性
2022年に実施された、スタディプラス株式会社による「大学選びに関するアンケート」では、高校生が大学を選ぶ際に重視する項目として、「学びの内容」が第一位として挙げられています。同じ学部や学科でも、大学ごとに特色が異なるため「ここで学びたい」と思ってもらえるようなカリキュラムや、講師・教授の学習サポート体制によって信頼を得る必要があります。 - 特有の課題と対策
課題:生徒獲得が難しく経営が困難になっている。
背景:少子化が進む一方で、新設大学が増えたり、SNSや検索などで多くの比較情報が容易に手に入るようになったりと大学の差別化が難しくなっているため。
対策:教員や授業内容の質、学習面におけるサポートを充実させるなど、他大学にはない価値や魅力を訴求することが重要。 - 成功事例:近畿大学
「近代マグロ」で有名な近畿大学は、ブランディング戦略により志願者数を10年間で2倍にし、4年連続で志願者数日本一を達成した大学です。「近代マグロ」を単なる研究成果ではなく、「近代の実学教育をわかりやすく伝えるコンテンツ」として、あらゆる広告で活用しています。
2014年に話題になった「固定概念を、ぶっ壊す。」というキャッチコピー以外にも、「マグロだけじゃない。」「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や?」といった大阪流のPR企画で、大学の魅力を伝えています。
教材メーカー編
- ブランディングにおける信頼性構築の必要性
教育機関や保護者に「信頼できる学習ツール」であることを認識してもらう必要があります。教材の質や成績が上がるなど、実際に学習向上につながったかとうか、という点での信頼性がリピーターに繋がります。 - 特有の課題と対策
課題:新規利用者・リピーター獲得が難しい。
背景:デジタル化や個別学習対応など、時代のニーズに合わせた教材開発が盛んに行われ、業界全体で競争が激化しているため。
対策:開発した教材のお試しコンテンツや体験イベントを提供し、利用者に商品の価値を実感してもらうことで信頼を得る機会を創出。また、リアルな反応を商品改善・開発に活かし、ニーズに合った製品を提供し続けることで商品に対する信頼性を高めることも重要。 - 成功事例:ベネッセコーポレーション
時代のニーズに合わせた教材開発で、顧客満足度・小学生の利用者数No.1を獲得しています。また、小学生だけでなく「幼児の学習法 利用者数No.1」や「高校受験 個別指導塾 首都圏 成績向上・結果」(2023年)で顧客満足度1位を獲得するなど、幅広い年代で学習向上につながった実績を残し、信頼性を得ています。
教育業界に効果的なブランディングツール|応援ノートの活用
教育支援ツールとしての応援ノート
「応援ノート」とは、企業が教育支援の一環として学校の子どもたちに無料配布する、オリジナルメッセージ入りの学習ノートです。教育現場や家庭学習などで実際に使用される実用的なツールであり、教育業界におけるブランディング戦略の1つとして効果的な特徴があります。
〈特徴〉
・日常的な使用によるターゲットと継続的な接点確保
・学校の承認を得て配布されることによる高い信頼性
・企業と教育現場を結ぶ架け橋として機能
・FSC認証紙を使用し、環境教育の観点からも有効
業態別活用方法と期待される効果
学習塾での活用
- 活用方法
学習サポートツール:ノートの取り方や間違えた問題の復習方法など授業や家庭学習で活用できるコンテンツを提供 - 期待される効果
・保護者からの好意的な評価獲得:企業広告だけではなく、「子どもの学習を支援する」という内容があることで企業のイメージを向上させます。
・新規生徒の獲得:同じ学校の子どもに配布することで、友達同士の口コミ・友達紹介を促進させ、新規獲得を促します。 - 具体的な活用事例:「オンライン学習塾 そら塾」
東京都内の中学生へ応援ノートを配布。定期テストの勉強方法や塾生の声など学生本人の興味醸成だけでなく、保護者へのコミュニケーションの“きっかけ”になるような情報も盛り込みサービスの認知を図りました。
大学での活用
- 活用方法
進学ガイダンス用の資料:各学部のカリキュラムや学部ごとの入試対策など進路選択に役立つ情報提供 - 期待される効果
・特色ある教育活動としてのアピールを強調:他の学校と異なる制作物により、子どもや保護者、教育機関の肯定的な印象を残します。
・進路選択の意識の向上:学校の子ども一人一人にリーチすることで、子どもや保護者にとって新たな選択肢を増やすきっかけを創出します。 - 具体的な活用事例:「早稲田大学」
教育学部の入試制度の変更タイミングに伴い、HPや従来のノベルティグッズだけでは伝えきれなかった学部の特色や入試情報などのメッセージを応援ノートを活用し、多くの学生にアプローチしました。
教材メーカーでの活用
- 活用方法
商品の特性や教育効果の理解促進ツール:成績向上の実績、無料体験・お試し版コンテンツなどを掲載 - 期待される効果
保護者からの認知度向上:成績向上などの学習効果の証明や、具体的な使用方法、実際の教材内容を体験できる機会を通して商品理解や信頼性を保護者に訴求します。 - 具体的な活用事例:「クレヨンしんちゃん 学習教材」
新発売のクレヨンしんちゃん学習教材の発売にあたり、クレヨンしんちゃんにゆかりのある春日部市内の小学校で応援ノートの配布とイベントを実施しました。イベントでは、しんちゃんと一緒に、学習ノートに掲載されているクイズを一緒に解き、直接児童と触れ合いながら教材について知ってもらう機会を創出しました。
教育市場が激化している今こそブランディング戦略を
少子化や学習ニーズの多様化から激化する教育市場で成功するためには、ブランディング戦略により、信頼性の高い教育サービスとしてのブランドイメージを築くことが重要です。教育の質を追求するだけでなく、社会的な価値を提供する意識を持つことが、他社との差別化を図り選ばれるための1つの鍵になります。
スフレが提供する「応援ノート」は、教育支援ツールとして各業態の課題に合わせた活用が可能です。また、子どもや保護者、学校に喜ばれるデザインの制作から実施までサポート体制が整っておりますので、他社との差別化にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。