商品やサービスの質の向上には、顧客の意見や満足度を反映させることが不可欠です。顧客の潜在的なニーズやトレンドを掴むために効果的な手段の1つとして「アンケート調査」が多くの企業で実施されています。アンケートを行う際は回答者の特性に合わせた設計や導線作りを行うことで、質の高い回答を得ることが可能です。本記事では、商品開発やマーケティング施策におけるアンケート調査の活用方法や「質問設計」と「回答への導線づくり」のポイントを解説します。
アンケート調査の活用内容
商品開発におけるアンケート調査の活用方法
- 商品やサービスのコンセプト検証
まず、商品企画の初期段階でアンケートを実施することで、消費者がどのような機能やデザインを求めるかを確認し、開発の方向性を決定します。消費者のニーズに基づいたコンセプトで開発が進められるため、効率的に商品やサービス開発を行うことができます。 - プロトタイプのテスト
試作品を使ったアンケート調査は、ユーザーからの初期反応を集め、販売前に改善点を見つけるために効果的です。また、プロトタイプのテストを行うことで得られる結果は、商品の完成度を高めるだけでなく販売後のリスクの軽減にもつながります。 - 反復的なフィードバックによる改善
商品やサービスの販売後もアンケートを継続的に実施することで、顧客ニーズの変化に対応することが可能です。機能の追加やデザインの更新など、販売後のフィードバックをもとに随時アップデートを行うことで、顧客離れを防止し、長期的な支持を得ることができます。
マーケティング施策におけるアンケート調査の活用方法
- キャンペーン効果の測定
プロモーションや広告キャンペーンの実施後にアンケートを行い、結果を測定することが重要です。アンケートを活用することで、目標層の反応を確認しプロモーションや広告内容が効果的だったのかやどの要素が評価されたのかを把握し次回の施策の戦略に活かすことができます。 - 顧客満足度向上施策の立案
アンケート調査は商品やサービスの開発だけでなく、商品の安全性や購入後のサポート体制の向上にも活かすことができます。あらゆる視点で顧客満足度を向上させることで、リピーターを獲得することができます。 - 季節やトレンドに合わせた対応
マーケティングを効果的に実施するために、定期的なアンケートを実施し、季節ごとのニーズやトレンドを把握することも重要です。季節限定キャンペーンを実施したり広告の中心に据えたりすることで、顧客の興味を引き販売促進に繋げることができます。
また、「クリスマスに贈りたい商品ランキング」などアンケート結果を活用した自社のコンテンツも作成し、顧客の関心を引くことができます。
子ども向けアンケートの設計と導線ポイント
上記のようなアンケート調査の活用方法において、子どもから有効な回答を得るには、対象年齢に合わせた質問内容や導線設計を計画することが重要です。
ここでは、園児・小学生・中高生に分け、質問設計や調査方法のポイントをご紹介します。
園児(3~6歳)
質問設計の工夫
質問形式:
・「好きな色」「好きな動物」などシンプルな質問、かつ直感的に回答できる質問
・質問にイラストを添付し、視覚的に分かるようにする
・実際に触れる・体験したことをベースに回答できる体験型の質問
質問数:5~7問程度
調査方法
◎オフライン調査:
親子イベントや体験会などで、親と一緒に参加できる形式を取り、親が子どもに質問を読み上げたり、回答をサポートしてもらいます。定量調査を行う場合は、2~3つ程の選択肢から形式を選んでもらい、定性調査を行う場合は、子どもが自分の言葉で伝えた内容を代わりに記入してもらうことで、子どもの考えを正確に把握することができます。
小学生(6~12歳)
質問設計の工夫
質問形式:選択式+自由形式の組み合わせ選択式+自由形式の組み合わせ
質問数:8~10問程度
調査方法
◎オフライン調査:
学校の授業でアンケート用紙を配布し、友達と意見交換できる形で実施することで、意見を引き出しを増やすことができるため定性調査に効果的です。
◎オンライン調査:
学校のタブレットやPCを利用し、授業の一部や合間などで実施を促します。イラスト化された選択肢があると、直感的な回答を促したり、子どもが楽しみながら回答できるため、質の高い定性調査につながります。
中高生(12~18歳)
質問設計の工夫
質問形式:
・質問形式:選択式+自由形式の組み合わせ(複雑な考え方ができるため、小学生以上に選択肢を増やすことができます)
・批判的思考を問う質問:「改善してほしいこと」「●と▲ではどちらの方が好きか」など
質問数:10~15問程度
調査方法
◎オフライン調査 :
出前授業や課外授業などの特別授業の際に自由回答の機会を設けることで、子どもたちが感じていることや考えていることが深く理解できます。
◎オンライン調査:
学生自身のスマートフォンから回答してもらうオンライン調査が効果的です。「好き/嫌い」などスワイプ方式で回答できるインターフェースにすると、気軽に回答できるため回答率の向上につながります。
アンケート調査を実施する際の注意点
子ども向けにアンケート調査を実施する際は下記のような点に注意する必要があります。
- プライバシーに配慮し、匿名で回答できるよう配慮することが必要です。特に、特に小中学生など本人がアンケートに対し、回答する際は個人情報の取り扱い等保護者の同意を得ることが必要です。
- 教育機関でアンケート調査を実施する際は、学校の理解を得る必要があるため、事前にアンケートの目的やデータの使用方法など明確に伝え信頼関係を築くことが必要です。また、所要時間やアンケートの実施から回収方法など、回答者や運営面で教員の負担を考慮する必要があります。
まとめ
本記事では、アンケート調査の活用方法や、アンケートの設計と導線のポイントについてご紹介しました。アンケートは、商品の開発や販売後のマーケティングにおいて有効な調査手法ですが、とりわけ、子どもに対して調査を行う際は、「設計」や「導線づくり」が回答率を大きく左右します。子どもへのアンケート調査をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、スフレでは園児〜大学生、保護者向けの「アンケート調査サービス」を提供しています。セグメント特化により、スクリーニングが不要で、必要なサンプルが得やすいです。
また、質問の作成から回答分析、報告書作成まで一貫サポートしていますので、「設計や導線のポイントは分かったけど、実際にどういうアンケートを作成して良いか分からない」「アンケート調査したいけどリソースがない」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
スフレのアンケート事例に関する記事はこちらでご紹介しております。