現代のマーケティング環境は日々進化し、消費者が情報に触れる方法も多様化しています。そのため、商品の販促やイベント集客において効果を出すためには、複数のメディアで露出機会を増やすだけでなく、メディアをうまく連携させて効果の最大化を図る「クロスメディア戦略」が鍵となります。本記事では、クロスメディア戦略で既存施策を効果的に統合し、マーケティング効果を高めるためのポイントと企業の実施事例をご紹介します。

クロスメディア戦略の基本概念
クロスメディア戦略とは、複数の異なるメディア(テレビ、インターネット、SNS、イベントなど)を相互に作用させることで、相乗効果や広告効果を最大化する戦略です。例えば、テレビCMが流れたときに「続きはwebで!」といったような案内を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これは代表的なクロスメディアの1つです。
クロスメディア戦略を活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
ターゲット層の拡大:異なる属性の層にアプローチができます。
信頼性と安心感の向上:異なるメディアであっても、一貫したメッセージを届けることが消費者の信頼性・安心感につながります。
リーチ数の拡大:単一メディアよりも低コストで効率的に広範囲へリーチできます。
企業が実施しているクロスメディアの例
では、どのようにクロスメディアを行うことで効果が生まれるのでしょうか。ここからは、実際に企業が実施しているクロスメディア戦略の例をご紹介します。
ベネッセコーポレーション
ベネッセコーポレーションは、こどもチャレンジや小学生講座など、各サービスで様々な施策を行い、多くの人に利用され続けています。
クロスメディア戦略の一例
・テレビCM + SNS
こどもチャレンジや小学生講座のCMは、親子で学ぶ楽しさや教育的価値を訴求しています。さらに、Web広告や保護者層が利用するSNS(X、YouTube、Instagram、LINE)を駆使し、申込を促進しています。
・パートナーシップとの連携
ベネッセが展開する生活情報メディアの「サンキュ!」は、株式会社サイバー・バズと協働で、主婦向けのインスタグラマー組織を立ち上げました。ベネッセでは、主婦ブロガーの募集から育成までをサポートし、企業から依頼を受けた商品のPRで高い共感を得ています。この実績を踏まえ、より拡散力を拡大するためにInstagramやXなどを駆使する主婦インフルエンサー組織の強化を目指しています。
サマンサタバサ
バッグやジュエリーを販売し、若い女性の人気を集めているサマンサタバサでは、クロスメディアによりメイン顧客である20代だけではなく30代の顧客の獲得に成功しました。
クロスメディア戦略の一例
・テレビCM + web配信
テレビCMで繰り広げられるラブストーリーの続きをウェブで配信することで、CMからwebへの導線をひき、若い女性層に訴求しました。
・テレビCM+ 電子書籍・店舗での配本
上記のラブストーリーの続編を電子書籍で配信したり、冊子にして店舗で配布することで、ターゲット層の拡大に成功しました。
ジーユー
ファーストリテイリングの子会社で、トレンドアイテムが低価格で手に入ることを強みとし、10代後半から30代の若年層を中心に利用されています。
クロスメディア戦略の一例
・テレビCM×SNS
CMでは、10~20代に人気の女優を起用し若い世代へのアプローチを行っています。アプローチ後の顧客の行動促進として、公式アプリでアイテムごとに店舗スタッフのコーディネートが確認できるコンテンツを設けることで、消費者の購買意欲を引き出しています。さらに、Instagramでは、働く女性や主婦を中心に「働くママのオフィスコーデ」など、働く女性や主婦層を取り込むことができるようアプローチも行っています。
効果測定でさらに効果的な戦略に
クロスメディア戦略を実施した場合、その効果を測定することが重要です。効果測定を通じて、戦略の改善点や予算の最適配分を明確にし、より効果的な施策にしていきましょう。
効果測定指標
- リーチ数:
どれだけ多くのターゲット層にリーチできたかを測定します。特にマスメディアやSNSでは、リーチ数が重要な指標となり、認知度の向上を図るために有効です。
- エンゲージメント:
ターゲット層が広告やコンテンツにどれだけ反応したかを測定します。SNSやウェブサイトでの「いいね」やコメント、シェア、視聴完了率などが指標になります。
- コンバージョン率:
どれだけ実際の成果(購入、登録、ダウンロードなど)に結びついたかを測定します。複数メディアを通じて消費者を誘導し、最終的な成果を追跡します。
- ROI(投資対効果):
投資した費用に対して得られた利益を測定します。どのメディアが最も効率的に成果を上げているかを評価するために、各メディアごとのROIを評価します。
効果測定方法
- 分析ツールの活用:
Google AnalyticsやSNSインサイトを利用して、キャンペーンのパフォーマンスを追跡します。これにより、どのメディアが最も効果的に機能しているかを把握できます。
- UTMパラメーターを使用したキャンペーン追跡:
URLにトラッキングコード(UTMパラメーター)を追加することで、どのメディアからのアクセスが効果的であったかを特定できます。オフラインメディアでもQRコードを使うことで、アクセス元を測定できます。
しかし、オフライン媒体の場合、オーガニックや直接指名検索などに分散する場合があるため、UTMだけの指標に左右されないよう注意しましょう。
最適な施策の組み合わせでキャンペーン効果を最大化
クロスメディア戦略では、単体の施策ではなく各メディアが相互に作用するように組み合わせることが重要です。ターゲット層のニーズや関心に応じて最適なメディアを選び、それぞれのメディアが効果的に連携することで、キャンペーン全体の効果を最大化できます。
新たなメディア戦略を取り入れ、キャンペーン効果を最適化したいと考えている方には、「応援ノート」などのアプローチ手法も有効です。この手法では、企業広告を学習ノートに載せて、教育機関を通じて子どもたちに配布することができます。クーポンの同梱やSNSとの連携も可能なサービスですので、気になる方はぜひ下記資料をご覧いただき、ご検討ください!
