大学広報において、スマートフォンやオンライン学習プラットフォームなどが普及する前までは、資料請求サイトへの広告出稿やパンフレット配布などのアプローチが一般的でした。しかし、学生の情報収集手法の多様化により、これからの大学広報は従来のアプローチだけではなくデジタル媒体を活用したマーケティング手法を考える必要性があります。
本記事では、新しい大学広報の必要性や、SNSを活用したアプローチ手法をご紹介します。
従来の大学広報の課題
大学広報として主流とされていたパンフレット配布・資料請求サイトへの広告出稿などは、現在も一定の効果が期待できます。しかし、以下のような点において、従来の戦略だけでは多くの学生へ訴求することが難しくなっています。
情報収集方法の変化
株式会社ペンマークによる「高校生活実態調査」では、大学受験の情報収集手段として、50.7%の高校生がオンライン学習プラットフォームから情報収集を行っていましました。(株式会社ペンマーク.「高校生活実態調査」.2023年)近年は教育機関にもICTの導入や「マナビジョン」、「スタディサプリ」などのオンライン学習プラットフォームも増えています。よって、効率的な情報収集手法へ切り替わっていることがうかがえます。
情報が埋もれやすい
パンフレットは多くの大学で制作されています。また、上記のようなオンライン学習プラットフォーム以外にも、比較サイトや予備校・塾のサイト情報など、あらゆる企業が情報発信を行っています。そのため、従来の広告手法だけでは他の大学の情報に埋もれてしまい、認知拡大や受験者数を大幅に増やす施策としては難しい可能性が高いです。
SNSを活用した新しい大学広報4選
上記のような課題に対し、新しい大学広報の手法としてSNSマーケティングが効果的です。ここからは、学生がよく利用するSNSでの集客戦略をご紹介します。
1.Instagram
◎特徴:
画像や動画の投稿に特化したSNSプラットフォームです。フィードやストーリーズ、リール、インスタライブなどアプローチ手法が豊富にあります。
*フィード…複数枚の画像や動画を同時に投稿できる機能
◎おすすめ投稿内容:
・学校、学科紹介動画
・授業風景や実技講習の様子など
◎活用ポイント
・ハッシュタグの活用
投稿時に最大30個のタグ付けが可能です。「#●●大学」「#学園祭」「#オープンキャンパス」など、ハッシュタグをつけることで、在学生からのフォローが見込めます。反応が多いほどハッシュタグの検索で上位表示されるため、ハッシュタグを活用し露出機会を増やすことで認知拡大につながります。
・タグ付けを活用
投稿時に他のユーザーを紹介できるシステムです。タグ付けされた投稿は、紹介したユーザーのフォロワーにも届けられるため拡散効果があります。
2.TikTok
◎特徴:
ショート動画(15~60秒程度・長くても3分)の視聴や投稿ができるSNSプラットフォームです。動画撮影後の編集機能が豊富にあります。
◎投稿内容:
・大学行事やキャンパス紹介
・学内実習や授業風景
・大学、学部あるある
・受験やイベントまでのカウントダウン動画など
◎活用ポイント
・キャッチーな動画制作
短時間でインパクトを残す必要があります。そのため、スクロールされないよう動画の冒頭で興味を引き付けることが重要です。授業風景、学食の様子以外にも大学周辺の観光名所、学生のファッション紹介などのコンテンツも興味を引きやすいです。
・ハッシュタグを活用した企画
視聴者が参加できる企画が実施できます。例えば、「#テスト前あるある」など多くの人が参加できるハッシュタグを設定することで、交流を増やすことができます。
3.YouTube
◎特徴
さまざまなジャンルの動画投稿が可能な動画共有プラットフォームです。InstagramやTikTokと異なり、長時間の動画配信が可能です。
◎投稿内容:
・大学紹介、キャンパスツアー
・授業の様子や学生インタビューなど
◎活用ポイント
・スマートフォンファーストの制作
こども家庭庁によるインターネット利用環境調査では、高校生はスマートフォンによるインターネットの利用率が97.4%でした。この結果から、スマートフォンで見ることを前提に動画を制作することが重要です。(こども家庭庁.「青少年のインターネット利用環境実態調査」.令和5年度 )
・サムネイルの工夫
視聴者が動画を見る際はサムネイルをみて判断しやすいです。そのため、学生の興味をそそるキャッチーなサムネイルを作成することが重要です。
4.LINE
◎特徴
友達追加した人には、文章や画像を通じて情報を公開することができるため、一部の機能がSNSに分類されます。
◎投稿内容
・イベント情報や入試情報など
◎活用ポイント
・大学イベントのお知らせ配信
「オープンキャンパス」「入試説明会」「学園祭」などのイベント情報の一斉配信が可能です。開催日時や内容だけではなく、参加申し込みページへの誘導やイベント終了後にアンケート配信もできるため、効果測定の実施が可能です。
・リッチメニュー
トーク画面下部に固定されたメニュー画面を指します。オープンキャンパスや願書受付開始など、学生や保護者に見てもらいたい情報をカスタマイズできます。期間によって変えることもできるため、タイムリーな情報と固定で掲載する情報をカスタマイズして学生の興味醸成を行いましょう。
リッチメニュー
SNSを導入する際の注意点
コンテンツの適切性
コンテンツ内容は、ターゲットに適したものを配信する必要があります。誤った情報や不適切な内容は、炎上の可能性や学校の評価を下げてしまうため、発信する情報には注意しましょう。
迅速な対応
SNSはコメントができるため、質問やコメントには迅速かつ丁寧に対応することが求められます。一方的な情報発信だけでなく、コミュニケーションをとることが信頼関係の構築につながります。そのため、定期的にコメント欄を確認し、スタンプや質問回答などの対応を行いましょう。
プライバシー保護の難しさ
SNSは拡散力が強いデジタル媒体です。そのため、学生に撮影協力してもらう際は出演者の許可をとる必要があります。
新しい大学広報の必要性
情報収集手法が多様化する中で、生徒を獲得し続けるためには、従来の広報手法に加え時代に合った広報戦略を取り入れることが必要です。大学広報は、従来の広報手法も一定の効果があるため、SNSだけで集客を行うのではなく従来の広報手法を活用しながら行うとより効果的です。
株式会社スフレでは、キッズマーケティングを専門とし新しい広告手法に関するご相談も承っています。大学広報において、従来の広告に加え、学生やその保護者層への新しいアプローチにお困りの担当者様はお気軽にお問い合わせください。
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